彩色らーめん「きんせい」@高槻 こだわりの塩 2006.12.15實食

「お久しぶりですね」
言われた時は「・・・そんなに御無沙汰だつたつけ?」と思つたが、調べてみると前囘は 「魚口」 の時であるから確かに半年以上開いてゐる。やはりその間、2囘ほどあつた限定の和風豚骨の日に行けなかつたのが響いてゐるのであらう。何せ私が「きんせい」で一番美味ひと思つてゐるメニウなのだから。
・・・さて、限定ではなくレギユラーメニウの中で一番美味ひと思ふのは、何と言つても「燻製鶏塩」である。しかし最近は限定やらつけ麪やら新メニウばかりを試してゐたので、調べてみると前囘食したのは 2004年の7月16日 ・・・記録に漏れがなければ何と2年半近く前のことだ。
その時のレポートを要約すると、「スープは關西圈の塩ラーメンとしてはトツプクラスだが、 麪が致命的に合つてゐない 」となる。それでも ★★★ をつけてゐたので麪が改善された現在では更なる の追加が出來るのではないか?と期待に胸を膨らませての訪問となつた。
「燻製鶏塩」をちう悶・・・するも、直前で賣切れ、とのこと o(>_<,)o
氣を取り直して「こだわりの塩」をちう悶。


こだわりの塩 700圓


スープをひと口。
・・・? (-_-;; ?
前囘食した時まではえも言はれぬバランスの良いダシだつたのが、これではただの 旨味の押賣り だ。
きんせい」のブログ*1によると
「スープ濃度を高めています」
とのこと。・・・そのせいか?!
また、
「スープ素材の味をもっと味わって欲しい!」
とも書かれてゐるが、まるで 寄せ鍋の殘り汁 でラーメンを作つたかの樣な ごつた煮 風味になつてしまつてをり、素材の味もクソも無い。素材の味は前のものでも十分に味はへたのに、餘計な亊をするから味のバランスが 台無し だ。
考へてみれば以前より此の傾向はあつた。昨年末に食した「焼き味噌」(しせうレポ禿波平レポ)、夲年2月23日の 「限定和風豚骨」 、そして今年の春頃〜秋までレギユラーメニウにあつた 「中華そば塩味」 ・・・いづれジヤンキイ さを前面に出した味付けであり、「常に試行錯誤し、進化させていくことがモットー」な店主の、現在の方向性が多分さうなのであらう。
一方、嘗ては問題であつた麪であるが、小麦と鹹水を變更して以降は前囘訪問時同樣なかなかの出來である。以前と比較すると多少の鹹水臭こそ感ぢらるるものの別に味を壞してゐる譯ではないし、やはりムテイムテイした彈力のある食感を得られたのが何よりも大きい。
ただし現在の旨味過剩なスープには、此の麪では細すぎる。以前の繊細なスープであれば此の太さで十分であらうが、ここまで「濃い」ダシを用意するのであるならば、麪にもある程度の スープの攻撃性 にも耐へらるる力強さが求められる。


先日 「大喜」を試した際 、「これなら關西にはもつと美味ひ塩ラーメンがあつたのでは?」と感ぢたので、それを檢証すべく何軒かを囘る計画を立てた。その中でも「きんせい」はかなり期待してゐた一軒であつたが、今囘は少々*2失望させられてしまつた。確かに、かういふ ジヤンキイで下卑た味 に對する需要があるといふことは認めやう。實際「風花」「ぴっかり食堂」「虎一番」等はさういふ味でフアンの獲得に成功してゐるし、ラーメンといふ食べ物自體「大喜」の樣なお上フインな味よりはかういふ旨味過多の方が「らしい」のは確かである。
ただ、さういふ味なら私の場合、遠路高槻まで行かなくても京都市内で「風花」を食すれば亊足りる。 グルタミン酸過多 で胸が惡くなつてしまふほど後味は惡いのだが、少なくとも麪とスープのバランスは「きんせい」より上だ。
まあ今囘の味が店主の方向性であり、また客にウケてゐるのならば別に目くじらを立てるほどのことではない。
「塩ラーメンの美味しいお店は?」と人から訊かれた時、月 旧一がオススメ出來る店が一軒リストから消えた、ただそれだけのことだ。


月 旧一的評價;★★

※今囘の評價と比較して5月に食した「中華そば塩味」の評價が不適切だつたので改正しますた。その際の波平氏のコメント「天然グルタミン惨過多のあっさりラーメン」の意味がよく理解出來ますた。