「カドヤ食堂」@今福鶴見 プレミヤーム中華そば 2005.12.03實食


5周年おめでたうござひます!!

ここのところ「カドヤ食堂」では「つけそば」ばかり喰つてゐたのでそろそろ原点の「中華そば」も食べなくては・・・と思つてゐた矢先、この12月3、4日の二日間だけ5周年記念で採算度外視の高級食材を用ひた限定メニウが出る、といふ情報ありて試して來た。
昼時を外して訪問したのだが、15時前にしてお店の前には4人の行列が。でも夲日は限定メニウのみなので囘轉はいい、とのことで程なく入店出來た。
そのメニウは醤油味の「プレミアム中華そば2005」と、限定10食の「特製地鶏塩そば」のみ。當然ながら「地鶏塩そば」の方は開店前から 意地汚く 並んでゐた 餓狼ども に喰ひ尽くされてをり、自動的に「プレミヤームちうかそば」をちう悶することになる。


プレミアム中華そば2005


分厚いチヤーシウがでん!と丼の1/3を占める以外はイカニモ ちうかそば「らしい」 ヴイジユアル。まあナルトが乘つてないところや中央に青ネギのかたまりがあるところは關西チツクなのだが。
そして何より、もつとそれ「らしい」のがその匂ひ。やや鹹水臭さが殘る麪とスープの香りが渾然一體となつた匂ひは、なにかしら懷かしさをおぼへてしまふ。
先づはスープをひと口。
(゚д゚)ウマー。

生産者の名前まで記してある東京シヤモ、比内地鷄、そして少々聞き慣れないがプレノワールといふ銘柄鷄を中心に取られたスープは何ともスツキリと綺麗で、とても お上フイン なお味である。また、「カドヤ」のちうかそばといふと「甘い」印象が強かつたのだが、甘さは抑へ目であり 「カドヤ」つぽくない 味だ。もつとも、私はここのところつけ麪しか食べてなかつたので餘計に「甘い」記憶が強くなつてゐるだけなのかも知れなひし、實際、親愛なるラーヲタ、某メシチヤ氏によると 「最近はデフォもこんなもん」 らしい。
このスープは美味ひ。そしてお上フインである。しかし、 お上フインすぎる
確かにスープはとても美味いのだが、タレが變わつてゐるせいでグルタミン酸成分が少なひのか「カドヤ」特有の 舌をマターリ包み込む樣な旨味の殘像 が得られづ、あまりにもサラリと消へ入つてしまふのだ。「美味い、けど物足りない」と、スープをどんどん飮んで行くのだが、後味の印象が希薄なるが故、 「喰つたー!!」といふ滿足感が得られない
そこにイカニモちうかそば、な麪が來るので違和感がつのるのだ。今囘は麪が通常より多い(150g位?)ので、餘計に麪の匂ひを感ぢてしまふのかも知れなひ。かういふスープであらば、佐野実支那そばや」の樣な、ツルリンとした加水の高い麪にした方が合つてゐる樣に思はるる。
白金豚の肩ロースを使つたチヤーシウは、しつとりとしてゐて齒應へが良く、素晴らしく美味い。 「脂身を食べるとこの豚の良さがわかる」 と店主が言つてをらるる通り、ギタギタしてをらづ、尚かつ適當な脂つ氣があり、あつさりしたスープにはベストマツチであらう。
あと特筆すべきはメンマのウマさ。「カドヤ食堂」のメンマは以前オツマミで食べた時に、その味付けの甘つたるさに閉口したものであつたが今囘のものは香り、味つけともに非常に滿足出來た。「くじら軒」の樣に「支那竹飯」として一度食してみたひものだ。
話はスープに戻るがだんだんと食べ進んで行き、スープがぬるくなつて來ると今まで隱れてゐた甘さが顏を覗かせては來た。しかし、それでも「カドヤ」のお下フインな味になつては來ないので、麪とのバランスの惡さが際立つのみであつた。
この「プレミヤームちうかそば2005」は採算度外視の力作である。しかし、「カドヤ食堂」の通常メニウのイメイヂや、最初の香りから受ける「中華そば」な印象からの「落差」が大きすぎて、全體のバランスが ちぐはぐな感ぢ を受けた。
まあイレギユラーメニウなのだから一發でキめられないのも致し方あるまい。次囘は久々に原点の「中華そば」を食べてみやう。

月 旧一的評價;★★★ 。5周年記念で ★★★★ つ。


橘さん、おめでとうございます。これからもムリをなさらぬ樣、身体に氣をつけて美味しいラーメンを作つて下さい。



カドヤ食堂