「龍馬」@百万遍 「京の塩ラーメン」 2005.12.16實食

ボリウムと一杯500圓といふ低價格でかなりの人氣店となつてゐた「龍馬」。夲年6月末で惜しまれつつ一旦閉店した後、「とさか屋」といふ燒鳥屋さんと「業務提携」とやらをして、「とさか屋」跡地で9月頃再開した。
以前の船長の時代の店は、「醤油ラーメン」こそうどんだしの樣な、疲れた胃にはやさしいが健康な時には物足りなく感ぢらるるスープではあつたが、「京の塩ラーメン」の方はやはり派手さこそ無ひものの全體の味のバランスが良ひラーメンであつた。(id:menmenmen:20050427#p1)
さて今囘、船長不在でどこまでその味が繼承出來てゐるかを試しに行つてみた。

その「京の塩ラーメン」をちう悶。運ばれて來たラーメンは、ヴイジユアル的には船長の時代と比較すると先づはスープがやや濁つてゐるのが目につく。あと具に海苔が加へられてゐたのが大きな相違点で、他にも胡麻が降られてゐたりと色々といぢられてゐる点がありさうだ。
スープを飮むと、いきなし化調味がコンニチワ。
ええつ?!「龍馬」つてたしか、無化調がウリぢやあなかつたつけ?!!・・・でもどうみても化調味だしなあ・・・
まあ確かに「ぴっかり食堂」なんかは無化調なのに化調味に思へる程グルタミン酸過多であつたりするし、味のバランスといふものは一概にコナの有無だけで論じらるるものでも無ひのではあるが、少なくとも前囘レポート時の樣な自然な奥行きのある味わひではなく、人工的で薄つぺらひ表面的な味に落ちぶれてしまつてゐたことだけは確かである。以前より麪や具は特筆すべきものはなかつただけに、此のスープの凋落によつてただのインスタントまがいになつてしまつたのは嘆かはしひ限りだ。
食べ進んで行くうちに氣附ひたのは、以前はスープの底に沈められてゐたミンチが無くなつてゐたことだ。それにつひては「京都ラーメンマップ(http://www001.upp.so-net.ne.jp/k-ramen/add17.htm#ryouma)」でも言及されてをり、武内氏は「さほどの差ではない」と評してをらるるが、私は此の手拔きもインスタントつぽさを増幅させる要因のひとつになつてゐると確信してゐる。
所詮、一人の職人の感性と力量によつて成り立つてゐた味を、マニユアル化してコピーするなどといふことは最初から到底無理なことだつたのであらう。
いくら京大生が金を持つてなひといつても彼等は馬鹿ではなひ。こんなラーメンに500圓も出すのであらば、サツポロ一番塩ラーメソをふた袋買つた方が味は似た樣なもんで量もかわらづよほど經濟的だといふことは容易に想像がつくであらう。
もつとも、料金を滯納してガスと水道が使へづ、自宅でラーメンが作れなひ状況なれば、ここでインスタントもどきを食べるのもやむを得ないかも知れなひが。
月 旧一的評價;×。