彩色ラーメンきんせい@高槻

( ̄O ̄;) ウォッ!口







2006.05.25(木)實食
きんせい」が年に何度か限定で此の「和風豚骨」を供する樣になつてからどの位になるのであらうか?
私が食べた記録では2003年の9月19日に「豚骨醤油」といふメニウを食べたことになつてゐるが、殘念ながら味につひての記録は殘つてゐない。兎に角食べたものを羅列してみると

・2003.09.19 「豚骨醤油」との記載。味の記録なし
・2004.09.17 とんこつがヘヴイでまるまる入つてる燻製卵が拷問
・2005.03.11 前囘よりはやや食べやすかつた
・2005.06.10 スープの最高到逹点。これ以上のバランスはない
・2005.10.14 とんこつが前面に出てゐる
・2006.02.23 コンビニチツクなジヤンキイな味

・・・となる。節系を使つた和風豚骨、といふ縛りは毎囘同ぢながら、少しずつ違つた味の趣向を凝らしてをらるるのがわかるであらう。
ただその和風豚骨の縛りゆえ、内容にサプライズが無くなつて來てゐたのも亊實。しかし今囘は「どういふラーメンにしよう?」と某所でアイデイアーを募つてをられたので、どんなモノが出て來るか、いつもより少しばかり期待して訪れた。
「魚口(うおくち)豚骨」。
・・・さう來たか!!!(某店のパクリやん(^-^;;;)
今迄の流れからして魚系を利かせる方向性は考へてゐなかつただけに、ちよつち嬉しい。先日全粒粉の話をしたときに「高倉二条」(id:menmenmen:20060213#p1)の話も出たし、その邊りも效果があつたのかな?・・・などと考へて店内へ。
當然の如く、その「魚口豚骨」をちう悶。
魚キタ━━━(゚∀゚)━━━!!
今囘は今迄に無かつた程に魚系が強い。スープひと口目は確かに驚いた。しかし、ふた口、三口・・・と進むに連れて、すぐに食傷氣味になる。強い。強いのだが、強過ぎるのだ。まるで鰹節をぐらぐらと時間かけて煮出したみたいに魚が出過ぎてバランスが惡く、ヱグさといふ程では無かつたにしろ、スープを飮むのを途中で止めさせるのには十分であつた。
店主と話をしてゐると、この魚は意図して出されたものではなく偶然の産物(笑)であつたさうだが(「魚口」の名前はスープが出來てからつけたそうな)、「過ぎたるは及ばざるがごとし」の格言を痛感させられた。
まあスープにつひてはこれ以上あれこれ言ふまい。(前囘もそんなこと言つてたな)
今囘のトピツクスは、今迄の樣に「少し變はつた」といふのではなく、全面的にリニユーアルされた麵の方なのである。
先づは麵を持ち上げる時点でそのしなやかさが違ふ。前囘(id:menmenmen:20060522#p1)の樣に麵の端がゴムの樣にビンビン、と跳ねる感覺はなく、啜り上げてもスープが周圍に飛び散ることも無い。魚の利いたスープにマスキングされて、一割混ぜたといふ全粒粉の香りの恩惠こそ殆ど感ぢられなかつたものの、食感は例の糸こんにやく樣のかたさではなく、齒應へを殘しつつむつちりと彈力がありなかなかの出來であつた。
きんせい」で初めて、ラーメンの麵らしひ麵を食べることが出來た!! (T-T)
使用する鹹水を炭酸カリユーム主體に變へたことにつひては前囘記したが、配合比率はカリユーム:ナトリユーム=6:4くらいださうだ。そして何より、今囘の最大の變更点は今迄ずつとこだわり續けて來たプライム・ハードをきつぱりと捨て去つた亊なのだ!!
プライム・ハード種の小麦に主成分が炭酸ナトリユームの天然鹹水を合はせるのは關西では現「麺哲」の庄司氏が「秀二郎」で始めたのが草分けではなからうか。その後「秀一」@吹田、そしてこの「きんせい」と同樣の組み合わせで自家製麵する店が出て來たが、麵の食感を出すことが出來たのは庄司氏のみ。あとは「プラステイツキイ」と表現される、工業製品の樣なゴリゴリと妙な硬さのある食感でしかなかつた。
此の組み合わせで作られた麵がプラステイツキイになる原因として、私は鹹水の違ひが大きいのではなひかと考へてゐたのだが、その主たる原因は小麦の方にあつた樣だ。勿論、食感の出方には鹹水も一枚噛んでをり、そのことにつひてはまた別の機會に書かせて頂くこととしやう。今囘は何よりもプライム・ハードと袂を分かつた「きんせい」の大英斷にただただ心よりの拍手を送りたい。
・・・とまあ、ここで終われば綺麗にまとまつたのであらうが、今囘は一点、重大な問題があつたのだ。
よ〜〜〜〜〜く冩眞を見て頂きたい。
さう・・・ネギが入つてゐないつっつっつっつうっつつつ!!!!・・・のである。
きんせい」といふと貝割れのイメイヂが強い爲、「あれ?今迄ネギ入つてなかつたつけ?」と一瞬思つて調べてみたが、作夏食した「冷やし」以外は全てネギ入りであつた。魚利かせて(笑)ネギ入れないのは「佛作つて魂入れづ」だ(ちよつと違ふか(^^;;)。もとい、さういふ些末なところにも、客は評價の目を光らせてゐるのだ。味の構成上、何らかの必然性があるのなればまだしも、今迄の「和風豚骨」に入れてゐたネギを今囘の「魚口」で拔きにする必然性が全く認められない。唯一考へらるる理由は、天候不良による野菜價格の高騰ゆえ、なのだが・・・(¬_¬)
魚ダシの失敗、理由無きネギの喪失、と二つもかさなれば、夲來なれば到底高得点を与へられる状態ではない。まあしかし今囘は、リニユーアルされた麵の記念すべきデビウの日だ。特別サーヴイスで
月 旧一的評價;★★★ +0.8!!
今日この日、「きんせい」のラーメンは新しい境地に降り立つた。しかし、それはあくまで「スタートラインに立つた」といふだけであり、これからが夲當の意味での試練の道であらう。「和風豚骨」に合ふ麵ではあるが、「きんせい」の澄んだ「鷄塩」などに合はせるにはまう少し加水を上げた方が良いであらうし、全粒粉を使ふのなれば今度は「つけ麵」のつけ汁もそれに合はせてもつと強化してゆかねばならない。・・・さあ、どういふ風に進化してゆくのか、とても樂しみだ。
P.S.
しかしこの「魚口豚骨」といふネーミング、「限定」と聞くとどこからか湧いてくるラーヲタ共は問題にしなかつたであらうが、「きんせい」H.P.(http://www7a.biglobe.ne.jp/~kinsei/)の「最新情報」で「『和風豚骨』の販売をやります。」とあるのを見て來られたイパーン客の方がをられたら絶對に意味がわからづ迷つてられたと思ふぞ。