「豚一」@中崎町 豚一ラーメン700圓 2005.12.22(木)實食

なかなかいいダシの豚骨ラーメンである、との噂を聞きつつも、大阪に出た際の課題店が多過ぎた爲にずつと後囘しにして來たが、今囘やうやく訪問する機會を得た。
此の店には店名を冠した「豚一ラーメン」と、「久留米ラーメン」の「塩」と「しょう油」、計三種類のラーメンがあるとのこと。かういふ場合私は先づ店名を冠した「豚一ラーメン」を食べるのが常なのだが、店名に「久留米ラーメン」をかぶせておきながらその定義から外れた節系を使つてゐることが引掛かつてゐたのでどれにするかを迷つてゐた。
しかし、逆に言ふと久留米ラーメンに節系を合はせたものがどういふ味はひになるのかの興味もあつたし、それを推す聲もあつたので敢へてその「豚一ラーメン」に挑戰してみることにした。

豚一ラーメン700圓

壁に貼られた能書きによると、豚一ラーメンは

 ・麺:国産小麦配合の手打ち方式中細のストレート熟成玉子麺
 ・スープ:十二年間追い足しを繰返した豚骨熟成スープ
 ・素ダレ:しょう油(鯖節、うるめ節を効かしてある)ダブルスープではありません
 ・具:ビタミンB1豊富な土佐もち豚チャーシュー 完熟煮玉子、国産海苔、泉州青ネギ

となつてゐる。
最近、 猫も杓子も「ダブルスープ」 を謳ふ樣になつてはゐるものの、殆どの店がダブルスープならではの味はひが出せてをらづ、 ただ豚骨を魚ダシで薄めてゐるだけ となつてゐる現狀にはほとほと嫌氣がさしてゐたのだが、わざわざ 「ダブルスープではありません」 と斷りを入れてゐるところなんぞはなかなか好ましい。
先づはスープを頂く。實は「豚一ラーメン」の前に「焼ラーメン」を少し頂いてゐたのでそのスープの實力はある程度想像出來てゐたのだが、所謂豚骨を薄めただけの「ダブルスープもどき」にはなつてをらづ、豚骨の旨味と節系の香りが喧嘩をせづに混在してゐる。
しかし!!
麵がひどい!!
國産小麦だか玉子麵だか知らないが、 多加水であまりにもツルツルし過ぎてをり、その上嚙むとグニヤグニヤしてゐて 豚骨優位のスープとは全く合つてゐない のだ!!
店主は一體、ナニを考へてこんなに ハズした麵 を持つて來たのだらうか?!「久留米ラーメン」との差別化をはかるなれば、スープから別物にしないとこの違和感は解消出來ぬであらう。
その上、 具がひどい!!
いや、バラ肉チヤーシウもとろとろに仕上げられた味付け玉子も、單品であつたら十二分に美味いであらうし、しかるべきスープに載せられてゐたのなら拔群の相性を誇つてゐたことだらう。しかし、此の濃厚スープに脂分の多いバラ肉チヤーシウ、しかもスープとキヤラがかぶつてしまふ煮卵なんぞは 食べる樂しみなんぞはまるで無く 、ひたすら 拷問でも受けてゐる樣 であつた。
麵はさておきスープと具は單品だけ見ればかなり出來がいいのに、それを 何の考へもなしに ただ一緒にしただけ 、でこんなにもアンバランスな出來上がりになつてしまふのがラーメンの恐ろしいところだ。こんなものに店の名を冠してゐたら、 店主の味覺センスを疑はれてしまつても仕方あるまい
あまりにものひどさに尻局、 麵もスープも具も殘してしまつた 。いくら消化能力が衰へて來たとはいへ、さすがにここまで殘してしまつたのは久々の出來亊である。

月 旧一的評價;

※注・此の「豚一ラーメン」は夲來なれば「×」でもいいと思つたのだが、「焼きラーメン」がかなり美味かつたのと、「久留米しょう油」も美味さうだつたので各パーツの出來も加味して此の評價とした。しかし、「豚一ラーメン」そのものは 麵と具が變更されぬ限り、食べる價値は無い
ああ・・・ヘンな挑戰なんかせづに、最初から「久留米ラーメン」の方を食べておきやあ良かつた・・・


久留米ラーメン豚一