[限定]「福三」@北山通大宮 極海老ラーメン 2005.09.25/12.18實食

極海老ラーメン700圓

「濃厚鶏そば」に替わつて夲年9月15日からメニウ入りした「極海老ラーメン」。ラーヲタ間での評判がすこぶる良かつたのと、私の評價も聞きたいと言つてられた、との噂も聞こへたので一囘目は9月25日と私にしては早い目の訪問であつた。
今囘、約3ヶ月ぶりに食してみたところ、初囘とだいぶ違つた印象になつてゐた。そこで先づは初囘の記亊を掲載、次いで今囘どう違つてゐたかを記させて頂くことにする。
海老のラーメンといふと、私には苦い經驗がある。2002年の8月、京都大丸北海道物産展で行列までして食べた「縁や(えにしや)」の「えび塩」はベースのダシとえびの味がてんでばらばらで統一感に欠け、しかもげんこつのみならづもみぢやあごまで使つてゐる、と豪語してゐるダシも全然弱つちよろく頼りない味。化調味が感ぢられなかつたことのみが救ひであるが、麵も大したことなひチエーン店のそれみたひな食感で散々。「えび味噌」もこつてりしてゐるかと思ひきやかなり薄く、まるでみそ汁のやうでイマイチ。えびの風味が消えてゐるのが逆に幸ひして、「えび塩」程のバラバラ感が無かつただけマシ、といつたレヴヱル。デパートの物産展といふ惡条件を差し引いても、到底二度と食べたくなる樣な味ではあり得なかつた。
まあ「福三」に限つてはさういふこともあるまい、と思つてはゐたが、實際の販賣開始直前まで味が決まらなかつた、との情報もあつたので、ある程度の覺悟を決めての注文となる。
スープをひと口。ラーメンが運ばれて來た時から海老の香りがしてゐたが、それ以上の強烈な海老の香りが口中に廣がる。何でも、タレには一杯あたり甘エビの頭を海老味噌ごと30匹分使用してゐる上に、それとは別に海老油も作つて仕上げに使つてゐるさうで、まう海老、海老、海老。とにかく海老のオンパレードなのだ。
この強烈な海老の味を裏からしつかりと支へてゐるのがトンコツ、鷄ガラ、節類で取つたダシだ。このダシが弱くとも、また自己主張し過ぎてゐても、全體の統制が取れなくなるであらう。逆に言へば海老をこれだけ前面に出す爲には、此の程良いダシ加減が不可欠であつたであらう。
麵は天然鹹水を用ひた多加水の太ちぢれ麵。天然鹹水を使つてゐる麵はプラステイツキイな食感のものが多いので警戒してゐたが、「むちむち」とまでは行かないものの、まあそこそこまともな食感が出せてゐてひと安心。海老海老したスープとベストマツチとまでは言い難いが、特に相性が惡いといふ譯でもない。
具はチヤーシウのかわりに海老ワンタン(ブラツクタイガー使用)が3つ。このテのラーメンに合ひもしないチヤーシウを載せてしまつたりする愚劣な店が多い中、きつちりと全體のバランスを見て作り上げてゐるところなどはさすが、である。
さて、この「極海老ラーメン」、「海老、海老海老海老〜〜!!」 の勢ひのままに食べ終へてしまつたのではあるが、後味が今ひとつ良くはなかつた。無論、化調系の胸が惡くなつてしまふ樣なそれではないものの、殼の部分の匂ひが殘る、といふか燒いた海老の頭を食べたあと齒に殼が挾まつたままの感覺、と言えば判つて頂けるであらうか?
まあ海老のラーメン喰つときながら海老の後味に文句をつけるのはお角違ひなのだらうが、別に海老嫌ひでもない私が違和感をおぼへたのであるから、あまり海老が得意でない人は尚更だらう。(とは言つても海老が得意でなかつたら、はじめから「極海老」は食べないかな?)
少なくとも食べてゐる途中で飽きの來た「濃厚鶏そば」とは違つて、一氣に食べ切ることの出來る「つかみ」は持つてゐる。海老を前面に出したラーメンとして現時点でもかなり高い完成度ではあるのだが、此の後味を何とか出來れば更なる高みに昇り得る可能性も祕めてゐる。

月 旧一的評價;★★★


・・・といふのんが初囘に試した際の感想である。その後の訪店では「極海老」が賣切れてゐた爲に「福三ラーメン」を食してゐたが今囘、京都市内が大雪に見舞われた日曜、昼のえいげう時間も終わりにさしかかりつつあつたが「もしかしたら殘つてゐるかも」と期待して訊ねてみると運良く殘つてゐたので速攻で ちう悶 www

目で見た限りでは、坦々麵の如き眞つ赤なヴイジユアルは全然變はつてゐない。しかし、ひと口スープを飮んでみるとだいぶイメイヂが違つてゐた。
先づ第一に、とてもマイルドになつた。前囘のものは口内を海老が跳ね囘る、といつた強烈さであつたのが、穩やかに遊泳してゐる感ぢである。そして、後味が海老殼臭かつたのがそれを殆ど感ぢさせない樣になつてをり、まろやかにたなびいて來る。
初期の頃のスープの後味が惡いと感ぢたのは私だけではない樣で、同樣の意見がちらほら聞かれた。それを受けて味を調整されたのだらう、私は殼成分を減らした樣に感ぢられたが、訊いてみると西京味噌を上手く使つて此の後味を改善したさうだ。
しかし、後味の改善とともにイムパクトも失われてしまつたのは殘念でならない。店主はイムパクトがあり過ぎるとリピートしてくれない、と言つてをられたが、たつた20食の限定品なのだからリピータを獲得するよりもガツン!!とイムパクトを出した方が夲筋ではないかと思はるるのだが・・・
さうは言つても個人的には初囘に食べた「海老つ!!」 のイムパクトも好きであるし、今囘の「まろ〜〜ん」なマイルドさも捨て難い。かなり贅澤な要望であるが、あの「ガツン!!」を殘しつつ後味を改善させる、兩者の中間点みたひな味は出せなひものであらうか?
期待してゐる。

月 旧一的評價;★★★

福三