らーめん天神下「大喜」@湯島 2006.12.08實食

1999年6月開店の此の店が大ブレイクしたのは日夲テレヴイの「史上最大!全国民が選ぶ美味しいラーメン屋さんベスト99(2002年3月21日放送)*1」で1位に輝いてからだ。同年末の「史上最大! 全国民が選ぶ美味しいラーメン屋さん 列島最新ベスト99*2 *3(2002年12月31日放送)」でも「俺の空」に續いて堂々の2位となり、その地位を不動のものとした。何せ一時は數百人が並ぶことさへあつた*4といふから、その人氣は異常だと言つていいだらう。
ここのところ東京へ足を運ぶ機會が減り、その樣な噂を聞きつつもなかなか訪れることが出來なかつたのだが、今囘やつとそのチヤンスに惠まれた。
18痔頃到着。金曜夜なので2〜30名のげうれつを覺悟してゐたのだが、到着時私の前には7名のみ。しかも時間が良かつたのか一瞬ではけ、すぐに着席出來た。
私は基夲的に初訪時はその店の一番ノーマルなメニウを食すことにしてゐるのだが、2000年前后の塩ラーメンブームの立役者としての「大喜」の塩に興味があつたし、何しろ昼夜限定30食なので次囘訪問した時に賣切れてゐるかも知れない。ここは喰へる時に喰つとかねば!!・・・といふ譯で「新とりそば」850圓 をちう悶 www


新とりそば850圓


スープをひと口。塩のカドがなく、とても上品で優しい味である。ダシは鷄(比内鷄ださうな。コストはペイしてるのか?)をベースに煮干し、昆布、節系等を合はせてゐるさうだが、どれが突出してゐるといふ譯ではない。
極細の麵はヤワくなり過ぎたりはしてをらづ、適度な食感を保つ。麵自體の味がストレートに傳はつて來る樣なものではないが、スープが 上品で上品でとてもお上フインなので 、この程度の方が相性が良いであらう。
特筆すべきはその具材。ひとつひとつ、仕亊がとても丁寧になされてゐることだ。
細かく刻まれたこまつ菜は食感も良く、以前MIG氏が指摘しておられた樣な苦み*5は全く感ぢられなかつた。また、半分だけ載せられてゐる味付けたまごも黄味が溶け出さない絶妙のかたさに茹でられてゐて、スープを濁らせるのを防いでゐる。また泣かせるのは鷄そぼろ。此と一緒にスープを飮むと、 とてもとてもとてもとてもお上品に 仕上げられたスープの物足りなさがいくばくかは補はれる。
チヤーシウがわりの蒸し鷄と、細切りめんまはスープの味をマスキングしない樣に、との氣遣ひからなのだらうか、これも 味が薄い
夲當によく出來たラーメンである。
塩のカドも立たづ、旨味の押賣りでまるで化調味になつてしまふこともなく、實によくまとまつた味だ。
しかし!!
・・・物足りない!!!
東京、關東圈の「塩」といへば、嘗ては涙が出るほどの感動を与へてくれたものだ。「支那そばや」「くじら軒」「がんこ総本家」・・・これらの店は 「美味ひつつっっつっつっつつつ!!」 と心から叫ぶことが出來たのだが、「大喜」にはその 感動が皆無 である。
時間が早くてダシがよく出てゐなかつたのか?・・・とも思つたが、限定30食なれば、味が出る頃にはとうに賣切れてしまつてゐるだらうし、よしんばあつたとしても 「遅い時間なので、スープが煮詰まってエグイ*6 かも知れない。
「大喜」の「新とりそば」を食して、どこかでこんな感ぢを味わつたことがあるなあ、と思つたら、嘗て「森伊蔵・極上の一滴」を飮んだ時の感覺と同ぢであつた。香り高くさつぱり、とてもバランス良く、日夲酒で言へば、30%迄磨き拔いた米を使つた大吟醸、といふ感ぢではあつたものの、別に燒酎をそんなにすつきりさつぱりさせんでも・・・といふのんが正直な感想であつた。
別にラーメンをこんなにお上品にすつきりさつぱりさせんでも・・・


月 旧一的評價;★★★


良く言へば「バランス良くまとまつた 上品な味 」惡く言へば「出來はいいが小さくまとまり過ぎて イムパクトに欠ける味 」。