「カドヤ食堂」@今福鶴見 中華そば 2006.06.01實食

此の店の基夲メニウである「中華そば」を食べるのはは久々である。
昼間の營業だけだつた時期は行けなかつたから當然として、昨年5月に夜の營業を再開されてからも「つけそば」や限定メニウばかりを食べてゐたので、調べてみると2003年の6月以來、實に3年振りのことだ。
その間にチヤーシウは三元豚から白金豚に變はり、タレの味付けも變化した。まあ、細かなマイナーチヱンヂにつひては一時、毎週の樣に通つてられた波平氏(その頃はパリジヱンヌみたひな名前であつたが)に任せるとして、久々の「中華そば」を堪能しやう。
私が「カドヤ食堂」に持つてゐたイメイヂは「甘さ」であつた。初期の頃、強烈な甘つたるさのメンマを食べて、「これはビイルのアテにはならんわ!」と思つた記憶がある。また、前囘も書いたのだが、最近よく食してゐた「つけそば」のタレの甘さもイメイヂを強めるのに一役買つてゐたのだらう。
そのマターリと舌を包み込む「甘さ」が「カドヤ食堂」の個性であつた筈なのに、前囘の 「プレミヤームちうかそば」 はあまりにも お上フインすぎて 滿足感に欠けてゐた。まああくまで限定メニウなので、それがそのまま基夲メニウの味の變化とはならないであらうが、我が親愛なるラーヲタ、某メシチヤ氏が 「最近はデフォもこんなもん」 と言つてをられたのが少々氣がかりではあつた。
最近はほぼ22時まで營業してゐる、とは聞いてゐたものの、やはり遲い時間に行くのは心配であつたので、途中でお店に電話して開いてゐることを確認の上、2115痔頃入店。「中華そば」をちう悶 www


中華そば


スープをひと口。
ウマ━━━ヾ(゚д゚)ノー━━━!!

確かに以前のマターリした甘さは抑へられ、また三年前に食したときよりはおゲフインさが陰を潜めてをり、 だいぶオーソドツクスなイメイヂ になつた。しかし、 美味ひ!!これは美味ひ!!!!!
特に魚の使ひ方が絶妙である。ちやーんと香りは立つてゐるのにスープの中では自己主張せづ、他の旨味と渾然一體となつて素晴らしひハーモニイを奏でてゐるのだ。・・・閉店間際でスープが煮詰まつて來てもおかしくない時間帶なのに、 何なの?!このバランスは?!!何なの?!この完成度の高さは!!!
またそのスープに細い縮れ麪がよく合つてゐる。 銘柄小麦を使つてゐる譯でも、鹹水にこだわる譯でもなく、 麪屋さん(カネジン食品)のものを買つてをらるるのだが、 ヘンにリキ入れてもスープとちぐはぐな麪しか作れない樣な、 下手糞な自家製麪の店 は、かういふ亊實にもきつちりと目を向けて、自らを見直すべきであらう。
白金豚のチヤーシウは噛みしめるごとに脂の甘味がほとばしり、穂先メンマは食感こそややヤワかつたものの、ひと口食べてからスープを啜るとえもいはれぬ良い香りが口中に擴がる。
何処にでもありさうな味ではあるが、此処でしか食べる亊の出來ない味。
此の系統の「中華そば」の夲場である東京でも、「カドヤ」ほどの味を出せてゐる店は 數へるほどしかない のではあるまいか。あの評價の嚴しいことでは有名であるMIG氏をして「これを食わずに死ねるか!」と言わしめた*1のもなるほど納得出來る。
こんなレヴヱルの高い店に、平日の夜なればげうれつ無しで入れるなんて、我々關西人は何てシヤーワセなんだ!!!

月 旧一的評價;★★★★★ !!!!!


追記
「カドヤ食堂」は2009年2月より自家製麪を導入されました。2011年4月現在の麪の素性・及び食感は此の記亊内に記載されてゐるものとは 全く異なつたものである ことを御了承下さい。
 

*1:id:ross-mig:20060525#p1※リンク切