「きんせい」@高槻 限定和風豚骨 2006.02.23實食 by 月 旧一

ここ最近の「きんせい」の和風豚骨の進化はめざましひものがある(和風豚骨 2005.06.10實食)。その味に魅せられて告知のあつた日は万難を排して驅け附けてゐたのだが、前囘(きんせい@高槻)だけは惜しくも食べ損ねてしまつた。
・・・といふ譯で、4ケ月半鰤の待望の一杯、である。この前食べた2005年10月14日のものに關しては「麵面日記」にはレポートを載せてゐなかつたがやや魚系が抑へ目で、ベストバランスだつた6月10日の時の樣に息もつかず完食!!といとまでは行かなひものの3日煮込んだといふとんこつスープはよくこなれてをり十二分に美味かつた。麵の食感はまだまだ和風スープに合つてゐる、といふところまでは進化してゐなかつたもののゴリツとした「硬さ」はあまり感ぢられづ、前ほどの違和感はかつた。
さて、今囘の一杯は如何に?
先づ第一の印象は節系が良く効かされてをり、「和風」を前面に出したつくりである。そのこと自身は歡迎すべきことなのだが、タレの成分であらうかグルタミン酸成分が强く、旨味の押し賣りの樣でジヤンキイさが先行して感ぢらるるのが氣になつた。
まあ確かにかような味を好む向きもあらう。例へばコンビニーのスナツク菓子とかを憙んで食べる人逹にはウケたのではなからうか。
麵は「硬い」といふ程ではないものの、最近食べた中では一番むつちり感に欠けてゐた。以前のヘンに角張つて、プラステイツキイな食感のものよりは百倍マシだが「和風」に合はせるにはまだまだまだまだ改良の餘地あり、だ。
ただし、某ずりせん大王アーレフ師がつけ麵を食して「いぜんよりもっちり感が増した」との評だつたので、もしかするそちらの方の麵は食感が良かつたのかも知れなひ。
まあ今囘はたまたまかういふ評價になつてしまつたが、それは今囘のラーメンのレヴヱルが低い、といふ譯ではない。味は大分安定して來てはゐるし、例へば「綿麺」(【マニヤー】續・綿麺@松原【必食・夜這ひ!】2006.02.16實食)で此のラーメンが出て來たら☆☆☆☆くらいをつけてしまつたかも知れなひ。
ただ單に、波平氏や私が求むる味の方向性とは少し外れてゐただけだ。我々の「きんせい」「和風豚骨」に對する期待が些か大き過ぎたのだらう。


月 旧一的評價;☆☆☆+α。


追記:
此の店のつけ麵は麵もつけ汁も私の好みとはかけ離れた方向性なので、迷ふこと無しに普通のラーメンにしたのだが、ジヤンキイなタレと下品なスープはどちらかといふとラーメンよりもつけ麵向きであらう。
また、麵もむつちり感は少なかつたものの、前齒で嚙んだときにブツリと切れる感ぢであつたから、こちらもつけ麵に向ひてゐる樣な氣がする。
今囘の「きんせい」の「和風豚骨」はラーメンではなくつけ麵を擇んだ方が正解だつたのかも知れなひ。・・・まあでもつけ汁に酢を使つてなひから、こちらも私の求むる方向性とは違ふのだけれども。

追記2:
卷きバラチヤーシウは、2枚ほど食べるだけなら薫製香が魚系の香りとまぢわつて、とても美味ひ。自分の消化能力の衰へを自覺せづ、チヤーシウメンをちう悶した波平氏の向かうみずな勇氣には敬意を払いたひが、まあ此の結果は頼む前からわかつてゐただらうに。