「ガッツン」＠四条千本西入ル　こってり　2005.09.10/11.26實食

初訪時の印象があまりにも惡かつた（id:menmenmen:20050911#p1）ので當分行くのを控へやうかと思つてゐたが、實は9月にも再訪してゐる。周囲がこぞつて「美味い」と言つてゐるのに私だけがハズレを引かされたまんまぢやあたまつたもんぢやあないからだ。
レポートが遲くなつてしまつたのは別に深い理由がある譯ではなく、單に書くのをサボつてゐただけだ。
殘暑嚴しい日の13痔前、と前囘より湿度こそ低いが氣温に關しては前囘より高い条件で、店主も「お昼は全然ですわ」と嘆いてをられた。そりやそーだろ、こんな暑い中、立ち喰ひで熱いラーメンを啜る物好きなんぞさうさうをるまい。亊實、半屋台と厨房の熱氣、といふ地獄の釜茹での樣な惡条件である「一神堂」は夏場、昼の營業を休んでゐた。
前囘のリヴヱインヂであるから當然、「こつてり」をちう悶 www 。

こってりラーメン630圓

今囘はスープを口にする前に、ひと呼吸置いて匂ひを嗅いでみる。・・・饐ゑた臭ひはしないことを確認の上、スープをひと口。
酸つぱくない！！（それがアタリマヘなのだが）
そして、やつとスープの味を味はふことが出來た。
「無鉄砲」や「天神旗」を知る身にとつては「え？これで？『ガツツン』とか言つてるの？！」程度の濃さではあるが、單に油でギタギタしてゐるのではなく、膠質成分でてろりと乳化された動物系のダシは十分に評價出來る。
しかし、不可解なのは「Wスープ」を謳つてゐる割には魚系の存在感が希薄・・・といふか、全くと言つていいほど感ぢられないことだ。個人的にはWスープの美味さとは、魚系の香りが先づガツン！！と來て、それを動物系が支へてゐるところにあると思つてゐる。
魚系が表に出ない「ダブルスープ」は、ただ單に濃いスープを薄める爲のみのアイテムに過ぎない。「ガツツン」のみならづ、「ラーメン一（KAZU）」（id:menmenmen:20040904#p2）然り、「無鉄砲」でさへ「ダブルスープ」に限つては、初めてのお客さんにそれが「無鉄砲」の味だと思はれてしまふのがとても心外なので一刻も早く表メニウからは外して頂きたいと切に願つてゐるくらいである。
まあ「ガッツン」も味の構成上何か理由があつて魚を使つてゐるのならわかるが、「ただ魚を使つてみただけ」なら別に豚骨オウンリーで作つても、誰も文句は言はないのではなかろうか？
あと氣になつたのはイヒ　言周　ロ未の強いこと。
食べたあと
　「化學調味料の味が強すぎますね」と言つたところ、
　「使つてません」と。
　「タレに入れてるでしよ？」と問うと
　「はい、入れてます」
・・・それは化調「使つてる」、と言ふんぢやあ〜〜〜！！！！！
(ノ｀△´)/θ☆┻┻ :・'.::・
よく化調味について「スプーン●杯入れた」とかの表現をされる場合があるが、それのみで化調の多寡を語るのはナンセンスだ。そのラーメンの總グルタミン酸量は元々のダシ、それからタレ、そして化調の合計なのであるからダシとタレにグルタミン酸が少なければ多い目に補ふべきであらうし、またダシとタレで十分なグルタミン酸量が確保されてゐるなれば追加は必要無い、といふことになる。
それ以外に旨味の感ぢ方には相乘効果といふものがある。ここに擧げられた表を見ると、同ぢグルタミン酸量でもイノシン酸との相乘効果で實際に感ぢる旨味には7〜8倍もの開きがあるのだ。
豊中の某店で面白い實驗をして貰つたことがある。そこのウルトラ濃厚な鷄ダシのラーメンのスープに、耳かき半分ほどの化調を入れてみる、といふのだ。當初、その量の少なさに「いくら化調でもそんなわづかな量が入つたとしても分からないでせう」と言つたくらいであつたのだが、實際入れてみると、見るも無殘に化調味ふんぷん、胸の惡くなつてしまふ後味を呈する樣になつてしまつた。
結局、化調使用の適正量は作り手自身が自分の舌で、そのスープを吟味しつつ決める以外は無い。それが出來る店主が「センスがある」のであり、出來ない店主は「味音痴」、ただそれだけのことである。「ガッツン」の店主も、もつと色々な店を食べ、研鑽を積み、「味音痴」と呼ばれぬ樣に努力をして頂きたい。
麵ははつきり言つて、それ單體でもマズいし、スープにも全く合つてゐない。すぐヤワヤワになつてしまふ食感も最低だ。某所で「賛否両論」といふ意見を聞いたが、どこの誰がこの麵を褒めてゐたのだらうか？
11月の訪問時は麵が變はつた、といふことであつたが、MIG氏*1とは逆に私は細くなつた樣に感ぢられた。すぐヤワヤワになつてしまふ欠点はやや解消された樣だが、やはりスープとの相性はダメダメだ。此のスープにはもつと低加水の、太くてしつかりとした食感のものの方が合ふのではなからうか。
まあ最終訪問時は店主不在の爲、夲來の味とは違つてゐるのかも知れないが、相變はらづ化調味が強いスープであつた。このテのジヤンキイなスープにはおろしニンニクとかがよく合うのだが、それが無かつたのが殘念。化調味がシツコイ此の路線で行くなれば、是非とも常備して頂きたいものだ。
開店當初からラーヲタの間での評判が良かつたので期待が大きかつたのだが、初訪時の酷いスープを別にしてもダシを眞面目に取つてゐることだけが取り柄でそれ以外、特に褒めるべきところのないラーメンである。
タレ、麵、そして糞マズいメンマ、と今後、改良してゆく点は山ほどある。まだまだ道のりは長いが期待出來ないこともない、位の思ひで氣長に成長を待つことにしやう。

月　旧一的評價；★★。

・・・え？おまえも化調を「スプーン一杯も入れられると・・・」とかいふ表現使つてるだろ、つて？？
・・・そんな古い記亊を掘り返してゐるヒマがあるなら１ポチしておくがよい。
　　↓

*1:id:ross-mig:20051121#p2：リンク切