「無鉄砲」大阪夲店@大国町 by 月 旧一 2005.12.01實食

「彩華」獨占状態だつた奈良の地に店を構えて屈指の行列店となり、「奈良の奇跡」とまで言はれた「無鉄砲」。諸亊情ありてその奈良夲店を閉め、夲年6月「大阪夲店」を大国町に開いた。
京都の外れ、木津にある「木津夲店」では連日、數十人にのぼる行列が後を絶たないのに、こちら大阪夲店では時間によつては待たづに食べる亊が可能だ、とのこと。しかも夲日は店主・赤迫重之氏が詰めてをられる、との情報を得たのでプレオープン時以來の訪問となつた。
私の住む京都からだと距離の上では遠いのだが、その殆どが高速であるので地道を走る割合の多い木津に行くのと時間はさう變はらないのでは?と樂觀してゐたのだが、夕方はやはり近畿道阪神高速が混んでゐた爲尻局、木津行きと比較して1.5倍くらいの時間がかかつてしまつた。
平日の18痔20糞頃といふこともあつてか確かに店の前にはげうれつ無し。赤迫氏直々のラーメンは久々であつたので、當然ながら「豚骨」の食劵を購乳。
さて、「呪文」をどう唱へるか、である。
「無鉄砲」では客の好みを反映させる爲、細かなオーダリングが可能である。その詳細は以前、 波平氏がレポートしてある のでそちらを參照して頂くとして、今囘は 「豚骨の神樣」 赤迫氏の味をどうしたら一番良く味はへるか、で道中惱みに惱んだ。
現在、「無鉄砲」での私のデツフオールトは「スープスクナメ」のみである*1。體調によつてはそれに「ナメラカ」を追加することもあるのだが、夲日は濃厚豚骨に備へて昼食もセーブし、體調は萬全。そこで問題となつて來るのは化調の使用量だ。私は純豚骨ラーメンは、タレの醤油成分だけではグルタミン酸不足になつてしまふので、 イヒ 言周 を入れて味を調節すべきである、と思つてゐる。しかし、 (キモイ)ムテヲタども の間では 赤迫氏自身の手による豚骨は甘みが違ふので、(化調)ヌキにした方がその甘みを純粹に味はへる」 との傳説が流布してゐるのだ。
でも實際、いくら「 示申 」と称さるる赤迫店主とはいへ、そこまでの違ひといふものがあるのであらうか?よしんばあつたとしても、久々に食する私に果たしてそれが分かるのであらうか???

「ヌキ?」「サンブンノイチ?」「ハンブン?」「フツウ?」・・・惱んだ擧句、やはりデツフオールトで比較した方が良いであらう、との結論に逹し、「スープスクナメ」のみ、あとは全て普通での ちう悶 www

豚骨ラーメン(スープスクナメアトハゼンブフツウ)

ラーメン登場。 「よくかき混ぜて下さい」 と。
冩眞を撮り、1、2囘かき混ぜたのち、早速スープをひと口。
ん?「無鉄砲」特有の骨粉のザラつきが少ない?・・・衰への隱せない私の消化噐に氣を遣つて、少しナメラカめにしてくれたんかな?・・・化調も何か少な目に感ぢるし。。。
でも、木津でしばしば感ぢてゐた スープのドライ感 は皆無。以前はタレに使つてゐる醤油の違ひで味に差がある、とのことであつたが、現在は大阪も木津も同ぢカネコ醤油を使用してゐるさうなので、その違ひから來るものでは無ささうだ。では、 (キモイ)ムテヲタども の言ふ、 赤迫氏が釜の前に立つた時の『甘み』」 とはこれのことなのか?!!・・・まあ氏が厨房にをらるる亊による プラシーボ効果 である可能性も否定は出來ないのだが。
先程「ザラつきが少ない」と書いたが、食べ進むうちに雜味成分が増えて來て、段々濃厚になつて來る。どうやら、かき混ぜ方がいささか足りなかつた樣だ。ねつとりしたスープが麵に絡んで持ち上げる箸が重いこと!!・・・化調の量も 次囘は「コナハンブン」でも問題無い かも知れない。
「麺のかたさはどうですか?」 と、二度ほど訊ねられた。
確かにいつも食べてゐる「フツウ」よりは だいぶヤワく感ぢられた ので一瞬「茹で時間を間違へたのか?」とまで思つたのだが、亊情通の波平氏によればこの店が使用してゐる「日本めん」の麵の出來には波がある樣で、いい時は拔群にいいのだが どんな茹で方をしてもヤワくなつてしまふ時がある とのことだ。
折角の入魂スープなのに何故、赤迫氏はそんなノーマルの狀態が殆ど無い樣な、 扱ひにくい麵 を使ひ續けてをらるるのだらうか?大阪にも、もつといい製麵屋があるのではないのか?と大いに疑問なのだが、 「この九州の小さな製麺所の麺無くして今の無鉄砲は有り得ない。完璧を求めながらも、こういうブレも許容してしまう一面もまた無鉄砲の無鉄砲たる所以なのではなかろうか」 と波平氏は言つてをられた。
今囘、 唯一の不滿点がこの麵のヤワさ であつたのだが、さういふ亊情なれば仕方あるまい。「日本めん」が品質の安定に一層の努力をして頂ける樣、ただ願ふのみである。
それにしても、最近は「ナメラカ」を食べる亊が多かつたので、それに慣れてしまふとノーマルスープはかなりヘヴイに感ぢらるる。
腹具合をきつちり調整しての挑戰であつたので當初、チヤーシウ拔きなら替え玉も出來るかな?・・・いやいや二杯目に醤油を食べることが出來るかも?・・・とか助平心を持つてゐたのだが、尻局スープの重量感に完食するのがやつとの有樣であつた (^^;;
それだけシンドヒ思ひをしたとしても、やはり「ナメラカ」よりもこのノーマルの方が、確かに旨味が強いのだ。私が關西で初めて、 ★★★★★ をつけた豚骨ラーメンの味は、やはりこちらの方なのである。豚骨が粉々になるまで煮込まれたスープを漉さづに食べる際の「雜味の旨味」は何を以てしても補足出來はしなひのだ。
今度赤迫氏が作つてらるる時はいつそのこと、「スープハンブン」の ちう悶 www をしてみるか。そしたらタレの濃さの調整も少しはラクになるかも知れなひし。。。

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