彩色らーめん「きんせい」@高槻 和風豚骨 2005.06.10實食

ラーヲタの諸氏は先刻御存知のことだとは思ふが、お店のホームペーヂ*1では「豚骨ラーメン」と表記されてはゐるものの、その實煮干しや節等の魚系を利かせたダブルスープの 「和風」豚骨 、である。


和風豚骨(燻製鶏)800圓


結論から言おう、今囘の「豚骨」は、今迄に「きんせい」で食した中では 最高の出來 であつた。
某MIG氏によると、今囘の魚系は鯖節と秋刀魚節ださうだが*2、これだけ魚系をガツン!!と利かせてゐながらネガなヱグみ等は感ぢさせづ、奥行きの深い味はひは、某まんぼう氏ではないが食べてゐて背筋がぶるぶると震える樣な「寒氣」がした程だ。
ここで大亊なのは 豚骨の濃度 だ。「満天」@天五の時にも書いた樣に(「満天」@天五 醤油らー麺 2005.05.01實食)、魚系ダシに豚骨を合はせて使ふときは、ただただ 濃ければいい、といふものではなく 、ある程度抑へ目にして脇役に囘さないと 互ひのダシがケンカをしてアンバランスになる か、よしんばケンカは避けられたとしても鈍重になり過ぎて、今度は 濃い豚骨を魚で單に薄めただけ になつてしまふ。
これも前囘書いたが、「満天」@天満の「醤油」では豚骨成分を際立たせない爲に何と 一度布で漉して をり、その工程を經ることによつてとてもまろやかで、且ついりこダシをしつかりと支へる素晴らしいスープになつてゐた。
きんせい」でも昨年9月の「豚骨(by ゾンビ)(by 波平)」はひと口目こそそのイムパクトに腦天を打たれたが、食べ進むに從つてだんだんと豚骨のヘヴイさが苦しくなり、最後にドーンと出て來た燻製卵まるまる一個が まるで嫌がらせの樣に 感ぢられたものだ。その後11月と夲年1月は食べ損ねたのだが、3月に食した際には見違へるほどバランス良く仕上がつてゐた。
そして今囘、魚系のキレを損なふことなく 節系の味を立てつつも重量感を与へてゐるスープ はこれ以上の配合は考へられない!と斷言してもいい程の ベスト・バランスを手に入れた のだ!!今囘の、この「豚骨」を喰ひ損ねた者は、一生後悔の念にさいなまれるがよい!!!
ただし、麵に關してはまだまだ課題が殘る。一時ほどはプラステイツキイさも氣にはならなかつたが、麵を口に運んで啜り上げる際、麵の下端が元の形に戻らうとしてバネ仕掛けの樣にビンビンと跳ねる「硬さ」は此のスープに合つてゐるとは言ひ難い。もつとむつちりとした彈力を得る爲にも、敢へて「天然鹹水」にこだわらない柔軟性も必要なのではないであらうか。
トツピングの薫製鷄は當初、話を聞いた時は「鷄い?! (-"-) 」と半ば懷疑的であつたが何の何の。その甘さがピターリ決まつてをり、逆にその脂つ氣の無さとスモーク臭がスープにベストマツチではないかと思へて來た。
總合として 麵のみには不滿が殘る ものの、それを差し引いても 十二分に滿足出來る 一品であつた。


月 旧一的評價;★★★★ +0.5!!!!!(麵さへ合つてゐれば・・・!!)


追記
同席したぞむびー氏*3は開口一番、 「豚骨十割できない?」 などと、相變はらづの 我儘をほざいて をられたが、某MIG氏も以前書かれてゐた通り*4魚ダシと合はせることを前提として取られた 豚骨ダシを十割で食べたとしてもお望みの味は得られないと思ふので、きつぱり 「できません」 と斷りを入れた店主の中村氏の對應には好感が持てる。(既に魚系と混合濟みだつただけなのかも知れないが(^^;;)
どうしても豚骨十割を食べたいのなれば、最初から「無鉄砲」に逝くか、或ひは「しゃかりき」の樣にガンガンダシを取るタイプのお店で注文した方が良い結果が得らるるであらう。
・・・まあネーミングが「豚骨」だから期待する氣も分からないではなひが (^-^;;
まう少し魚系だよ!といふ亊を前面に出した、氣の利いたネーミングといふものはないのであらうか?

*1:http://www7a.biglobe.ne.jp/~kinsei/ ※2009.06現在はhttp://www.kinsei-ramen.com/

*2:id:ross-mig:20050611#p1※リンク切

*3:id:ramen-zombie

*4:id:ross-mig:20050311※リンク切