「鶏団子そば」900圓 2007.02.17實食

しゃかりきんせいコラボ。

前囘*1 リポートした、「しゃかりき」「きんせい」コラボメニウ*2 の「きんせい」版。こちらも2月1日〜28日の間の期間限定で、尚且こちらは1日30食の限定(土、日は50食)である。
さて、「きんせい」ブログ*3 によると、この「鶏団子そば」は「コテコテスープと煮干スープのダブルスープ*4」となつてゐる。
濁りがやや強いスープは見た目より遙かに膠質成分に冨んでをり、かなりのコクがある。「しゃかりき」がさつぱりし過ぎて拍子拔けしたのとは逆に、こちらは確かに「コテコテ」であり、スープを飮んだあとはコラーゲンで口の周りがべたべたする程だ。「豚皮のスープをブレンドしている*5」と聞いて、なるほど納得がいつた。
兩店のレギユラーメニウのスープを比較すると、御存知の通り逆に「しゃかりき」の方が「きんせい」に比して遙かに膠質成分が多い。此のコラボメニウではそのキヤラを正反對にすることによつて、そのギヤツプの面白さを演出しやうとしたのかも知れなひ。
今囘の「鶏団子そば」のスープで感心したのは、その 節度を持つた味はひ である。昨年、「こだわりの塩」を食した際*6 にも指摘した通り、最近の「きんせい」は「スープ濃度を高めています*7」と、些か*8 旨味過剩でジヤンクフードつぽひ味はひにシフトしてゐたのだが、此の限定に限つては、あと一歩踏み出すと厭味になる寸前で踏みとどまつてゐるのだ。
まあ基夲メニウがグルタミン酸の多い鷄中心であるのに對し、今囘のコラボは煮干しと豚骨中心であるから、といふのが正直なところであらうが、此の「節度」を今後も忘れないで頂きたひところである。
「節度」の話で言ふと、今囘、やや節度に欠ける部分をひとつだけ擧げるとすれば、それは蝦油の利かせ方であらう。
最初の2、3口目までは、「此はえびラーメンだつたのか?」といふくらい、蝦油の香りが強かつた。途中からはあまり感ぢなくなつて來たので良かつたが、最初は2005年夏に食した「冷やしラーメン」の樣に、食べ終はるまで味が蝦油に支配されたままになつてしまふのでは?と夲氣で心配になつた、といふことをここに記しておかう。
麵は「しゃかりき」の時と同ぢく「きんせい」のレシピーで「麺屋 棣鄂(テイガク)」が打つたものだが、茹で方の違ひだらうか、「しゃかりき」よりムテイムテイ感が少なく、ツルツルした喉越しがアツプしてゐた樣に感ぢられた。
具に關しては、文句無しでこのきんせい」の壓勝だ。ラーメンとの相性は別にして、レアーのチヤーシウは齒應へ、嚙んだ時の味はひがともに素晴らしいし、また「しゃかりき」のワンタン同樣、載せる必然性があるかと問はれれば「?」がつくものの、ボリウムのある鷄團子も食べ應へがある。
最初「辛くありませんか?」と聞かれて何のことだらう?と思つたら、糸唐辛子も載せられてゐた。特に辛いものが苦手な譯ではないが、此のラーメンとの相性はイマイテイであつたので半分以上除去してしまつた。


月 旧一的評價;★★★

結果として「しやかりき」はレギユラーメニウを超えることが出來づ、「きんせい」は逆に最近レギユラーメニウの不滿を持つてゐた点が解消される、といふ對照的な評價になつた。
「コラボメニウ」といふと、雜誌やケータイサイトとのコラボではマスコミ側の「賣らんかな」の姿勢が見へ隱れして、それだけで氣分が萎えたものだが、今囘の此のコラボは純粹に2店の間で時間をかけて考へられたものだ、と聞く。單なる雜誌のネタ作りではなひかういふオモシロヒ企画なら、機會あらば今後も時々はおこなつて頂きたひものである。