「ラーメン荘　夢を語れ」＠一乗寺　小ﾌﾞﾀﾔｻｲﾆﾝﾆｸ　2006.11.15實食

※2007年2月09日「ラーメン荘　夢を語れ」2006年11月、12月分一擧掲載！［その１］

小ブタヤサイニンニク

嘗て私が「ラーメン二郎」三田本店に初訪せし際は、食べてゐる最中から「また絶對來るぞ！！」と心に誓つたほどの強烈な印象を与へられた。しかし「夢を語れ」では過去三囘*1 *2 *3、ただの醤油をお湯割りしただけの樣なすさまじく薄い、出來損なひのスープを喰はされたせいで、仰せの二週間を開けてみても「また食べたい」といふ氣には毛頭ならなかつた。
折角の關西初「二郎」はこのまま慘敗で終わるのか・・・と思つてゐたら、微妙に雰囲氣が變はつて來た。10月の最終週末あたり以降に食された方々のブログ等をチヱツクすると、どうやら味に變化があつた樣だ。
「みつなりの法則」10月28日實食：辛さノーマル「何故か、スープも豚もやや塩辛く感じたのは自分だけか？*4」
「ポンポン山生活+スノーボード+天下一品」10月29日實食：辛さノーマル「一口食べると、先週と味が違う！スープの味はより濃く、そしてより強力になっていた。先週は比較的甘めのスープで、僕には少し塩気が足りなかった。*5」
「やっと定住。」11月07日實食：カラメ「前回来たときよりスープの浅さが気にならなかった！！*6」
「やっと定住。」11月11日の日記：カラメ「スープの物足りなさは初回ほど感じられなくなってきた。*7」
「わかまつ部屋２」11月19日の日記：辛さノーマル「続いてスープを一口、当初言われていた薄さは感じない。*8」
また、東京からの遠征組の方々のレポートもちらほら出はじめた。
「うまログ」10月29日の日記：カラメ「ネットで薄い薄いと言われている味たけど、カラメにしたからかショッパイくらい。*9」
「たけひこのラーメン全国食べ歩き」10月29日實食：辛さノーマル「開店してから1週間ちょっとにしてはなかなかの出来で物足りなさや薄さは感じませんでした。*10」
「ラーメン二郎食日記」11月05日實食：カラメ「辛めをいれたこともあってか、京都のラーメンサイトやいろんな方の印象に出ていた言葉でもある薄いというのはあまり感じませんでした*11」
「ラー部通信」11月05日實食：カラメ「乳化気味の豚さんスープは、野菜マイルドな感じ。そのスープにカラメコールのカネシが利いてます。*12」
「むさしの日記 Blog」11月19日實食：辛さノーマル「一部ではスープが薄いとのウワサがあったが、この日のスープは決して薄いということは無かった。たしかに二郎と較べるとマルジは薄味の傾向があるが、少なくともこのスープはマルジよりは濃いと感じた。*13」
唯一、「怪すぃ山やさん」（11月06日實食）のみが「カラメにしたのに味が薄いのと、ヤサイマシにしたのにあんまり多くないのがちょっと物足りなかったかな。*14」と薄さを指摘してをられたが、この時期に書かれたブログでは「薄くない」といふ意見が多數を占めてゐる。しかも、初期に食してをらるるhorizon氏*15やつばさ氏*16 *17が「味が違う」と書いてをらるるので、これは試してみねば！！と、再訪することとなつた。
デフオーの狀態でどれだけの變化があつたかを見極めるべく、「カラメ」コールはせづに初囘訪問時と同ぢく「小ブタヤサイニンニク」でちう悶。
ブタも麪もあとにして、先づはスープをひと口。
・・・薄くない！！
「濃い」などとは到底言へないものの、少なくとも以前3囘の樣な「薄くて喰へたもんぢやあない」レヴヱルは脱してゐる。
それでは一體、何が改善されたのだらうか？
先づ、前囘「カラメ」を食した時ほどの醤油味は感ぢられなかつたので、單なるタレの増量ではなかろう。
今囘、大きく變化したとはつきり感ぢられたことの一つはグルタミン酸成分の増加である。後日、波平氏も指摘してをられたが（後述）、前3囘とは較べものにならないほど方向性が定まつて「二郎」らしひ味になつてゐる。
實際、見てゐると化調は小匙一杯も入つてゐない。鷄ガラのダシだと耳かき一杯ほどの化調でも「うへえつ　ヾ(´ヘ｀;; 」となる樣な強烈な味になつてしまふのだが、元々グルタミン酸の少ない系統のダシなので影響が少ないのであらうか。
しかし、改善点はそれだけだとは思へない。ダシ自體はさして濃厚になつてはゐないのだが、化調だけでは説明のつかない「厚み」が出て來てゐる。それがダシから來てゐるのかタレから來てゐるのかは判別出來ないが、前囘、噂に聞いてゐた「タレを濃くしたりして味の改善を圖つてゐる」のが功を奏したのか、或ひは二郎夲店の樣に殘つたスープを煮詰めて濾したものをベースに次の日のスープを作る、といつたことを繰り返した結果、味がこなれて來たのか。
某ずりせん大王アーレフ師によると、「夢を語れ」のチヤーシウはかえしに漬ける前に他のスープ材料とともに寸胴で煮込まれるのだが、その部位をバラ肉主體からウデ肉主體にしたら旨味が抽出され易くなつてスープの出來が良くなつた*18、とのことだ。