「高倉二条」@高倉二条 味玉らーめん 2006.02.12實食

此の2月02日にオープンして以來、たつた數日で關西のラーヲタ共から早くも絶賛の聲が聞かれる「高倉二条」。噂を聞くに私の好みど眞ん中つぽい感ぢであつたので、早速試しに行つて來た。
高倉通に面した店の外觀は小料理屋風で、ぱつと見には絶對ラーメン屋だとは思へない。

店に入りカウンタに座ると三年熟成の夲味醂純米酒の一升瓶が目に入る。ふとカウンタの奥の棚を見ると「鰹」「鯖」「鰺」とまう一つ(「煮干」だつたかな?)と書かれた入れ物がある。
品書きの蘊蓄こそ最小限ではあるが、これらが客の目に入る樣に配置してゐるのはかなり アザトイ 演出である。確かに すぐに成分分析をしたがるラヲタども にとつては有用な情報であるし、何より店主と懇意になつてその情報を得る手間が大いに省ける。
しかし、かういふさりげなさを裝つた あざとき作爲 は私の一番忌み嫌ふところだ。これならば壁や品書きに蘊蓄たらたらの方が余程可愛げがある。直接味には關係の無い部分なのでそれを評價に反映することはしないが、私を身構へさせるには十分な演出であつた。

「味玉らーめん」(800圓)を ちう悶 www


味玉らーめん800圓

一時は マズいラーメン屋の証 とされた、 木の杓子 がついて來るところなんざトホホなのだが、丼や糸唐辛子等和風テイストの統一感は感ぢられる。
スープをひと口。
魚魚魚魚魚!!!!! >゚))))彡
これでもか!!とばかりに ガツン!!と鰹が香り、 その強烈さは嘗て「洛二神」を初めて食べたときの印象を遙かにしのぐ。兎に角ひと口目のわかり易いイムパクトを狙つた、東京流の下品な表現方法なのであるが、實は私はかういふ下品さが大好きだ (^o,^)
その魚系のダシをしつかりと支へてゐるのが豚骨ダシだ。「しやかりき」みたひにゲル化した濃厚な膠質成分を出してゐる譯ではなく、魚のみでは出すことの出來ないダシの厚みとして裏方に徹してゐる。
此の店の特徴はスープのみではない。冩眞に冩つてゐる麵の色は、味玉と同ぢ位の濃い色である。全粒粉を使つてゐるとのことではあるが、色合ひとしては黒小麦を使用した「一信」或ひは以前見たことのある烏龍茶を使用した「烏龍麺」の樣で、挽きぐるみを使つた蕎麦の色と言つたらお分かり頂けるであらうか。
全粒粉としての 麵の香りは スープの鰹に隱れて 全くと言つていいほど感ぢられづ 、またややしなやかさに欠けるきらいがあつて ゴワゴワした食感 は決して良いとは言へない。しかし、この強烈なスープに負けてゐるとも感ぢられないので相性としては惡くはない樣だ。
チヤーシウは分厚く切られたバラ肉。MIG氏は赤身を推奨してをられた*1が、私が食した際にはスープの脂分はさほど氣にはならなかつたので現狀で全く問題無い樣に思はれる。
待望久しき「分かり易い」 魚ガツン!! のラーメン屋がやつと京都にも來てくれた。敢へて難癖をつければその ガツン!! が食べてゐる途中にくどく感ぢられて來るのではあるが、此のフアーストイムパクトを弱めることは結果として角を矯めて牛を殺す結果にもつながりかねないので、飽きて來たら種々の藥味(七味、山椒、白胡椒、黒胡椒)を入れて味の變化を樂しむがよかろう。
いやはや、 演出のあざとさ はアレなのだが、開店したてにしては素晴しい完成度のお店である。私が昨年一番通つた「麺屋しゃかりき」の何囘分かが今年は「高倉二条」に奪はれてしまふことになるかも知れない。


月 旧一的評價;★★★★+α 。

*1:id:ross-mig:20060207(※リンク切)