「カドヤ食堂」@今福鶴見 特製つけそば 2004.07.28實食


關西でここ1〜2年、つけ麪を出す店が矢鱈滅鱈増殖して來たが、その大部分が「つけ麪」ならではの 美味さについては何も考へづ 、單に 麪と汁を別に出してみただけ 、のシロモノでしかないのには辟易してゐた。
そんな折、「カドヤ食堂」でも「つけそば」を始めた、といふことなので試してみる。
先づは麪。


特製つけそば(大盛)【麪】


麪はややスポンヂーで、スカスカした印象であるところは 少々與醒め ではある。しかし、 ただ硬いだけ なのを 「コシ」と勘違ひして 、なかなか噛み切れない樣な 食感の惡い麪を堂々と出したりしてゐる店 よりは遙かにマシだ。

麪はまだまだ進化の餘地があるのだが、「カドヤ食堂」の「つけそば」では、何より 「鴨汁そばをイメイヂして作つた」 といふ、しつかりとダシの取られた つけ汁の出來が素晴らしい!!


特製つけそば【つけ汁】


つけ麪の何たるかを知らぬ 無知蒙昧な 關西の客が ざるそばや素麪のイメイヂで つけ麪を頼むのを良いことに、ただ タレを強調しただけでダシをおざなりにしてゐる「○風堂」や「■船」 なんぞは「カドヤ食堂」のダシガラでも煎じて飮んでおくが良い。

具澤山であるが、それが全て最初からつけダレに入つてゐるのも「つけ麪」といふものをちやんと分かつて作つてゐる証拠。 見榮へだけを氣にして 具をこれ見よがしに麪の上に盛り附ける樣な 無粹極まりない 店も多々あるが、さういふ店のものは 「具」 ではなくて 「愚」 と呼ぶのが相應しい。

中身で勝負!!の「カドヤ食堂」の具は三元豚のチヤーシウも脂に甘みがあつてウマいし、メンマもただの飾りではなくちやんと量があり、食べ應へがある。中でも何より際立つてゐたのは葱の美味さ。此の濃厚つけダレにジヤストミートで合つてゐた。

麪を平らげたあと、具をアテにビイルをぐいぐい。最後にスープ割りをして貰つたら此がまた芋燒酎に合ふの何の!!

そんじよそこらの「作つてみますた」的なつけ麪とはひと味もふた味も違ひ、その オリヂナリテイの高さ、何よりその 美味さ に感動した。


月 旧一的評價;★★★★ −α(麪の分)。