らーめん「こぶ志」@三条通御前下ル こぶ志ラーメン(塩系) 2008.07.05實食

夲年6月02日のオープン以來、ラヲタの間では祕かに話題になつてゐたお店である。居酒屋「なごみ家」の系列、とのことだ。
その内容の精緻さの割に中々アクセス數の伸びない、不憫な主婦ブログ ハシダ・メンプチ日記 によると、店主のオススメは「塩系」である、とのことなので、こぶ志ラーメン(塩系)を ちう悶 www
ちなみに、こぶ志ラーメンとはノーマルのラーメン(650圓)にプラス50圓で煮玉子半個が載せられたものだ。

こぶ志ラーメン(塩系)700圓

スープは一般的な「塩ラーメン」から想像するものよりはやや濁り氣味で膠質系の輕いとろみがあり、口に含むと獨特の香りが立ち上がる。ハーブといふかスパイスといふか、漢方藥つぽいといふ表現が分かり易いであらうか。あまり經驗したことのない、個性的な香りであり、此の店のラーメンの特徴となつてゐるのだが、かういふ系統の香りを苦手とする方もをらるるかも知れない。
またそのダシは、マターリした旨味が十分に味わへるものだ。野菜系由來のものであらうか、甘味がややくどく感ぢらるるが、ラーメンのスープにとつて最も重要なフアクターのひとつである、ひと口目の味わひをきつちりと出せてゐることは評價出來る。
また、塩ダレの「カド」が出てゐないこともマル。上記のダシの味わわせ方といい、新店にしてはその邊りをよく押さへてあるなあ、と思つたら、としむね氏のペーヂ*1によると、實は居酒屋「なごみ家」円町店(2008.02.26で閉店)時代には昼にラーメンを供してゐた、といふことなので全く一からの出發、といふことではない樣だ。
麪は全粒粉の細麪。麺屋「棣鄂」製で、吟醸らーめん「久保田」のと同ぢものである、とのことだが、時期の違ひか、或いは單に茹でる技術の違ひなのか、確かに若干の脆さこそあるものの、フニヤリと力無く崩れてしまふ樣な食感の惡さは無かつた。
何よりスープの個性がある分、麪の味だけが浮いてしまうことが無く、このラーメンに限つて言へば、そこそこ良い相性ではないかと感ぢられた。
しかし、ここのラーメンで特筆すべきは「塩釜チャーシュー」であらう。美しいピンクの斷面を持つ薄切りのチヤーシウはジユーシイで、ガツツリ喰ふにはやや物足りなさを感ぢるかも知れないが、肉そのものの旨味を存分に樂しむことが出來る*2

全體的な印象として、非常にまとまりの良い、バランスのとれた一杯であつた。


月 旧一的評價;★★+0.8。

ただ個人的にはやはり食感の劣る全粒粉の麪ではなく、「塩系どろ壱号」に使はれてゐた齒應へのいいオーソドツクスな黄色い麪の方で此のラーメンを食してみたい。

*1:http://www.tcn.zaq.ne.jp/tosimune/krn.htm

*2:でも後日ビイルのアテに此の「塩釜チャーシュー」を單品でちう悶した際には今囘ほどの感動は無かつたのは何故だらう?