彩色ラーメン「きんせい」@高槻 鷄コテーリ 2005年09月27日實食

鷄のこつてり、といふから「麪哲」の「M・K*1 *2 *3」(id:menmenmen:20041201#p1)か常磐の「ラーメン太郎*4」(※神戸でチヱーン展開してゐる「ラーメンたろう」とは別)の樣なものを當初想像してゐたので、空腹状態でないと食べ切れないのではないかと思ひ、いつもの唐揚げは頼まづにいきなりちう悶。
出て來たラーメンは「M・K」ほどの乳化は無く、半透明に濁つてゐる感ぢだ。
スープをひと口。 強烈な旨味 が口中に廣がる。此のグルタミン酸量なれば、食べてゐる最中に飽きて來たり、食後に氣分が惡くなつてしまはないか少々心配になる。またスープの粘度は想像してゐた程でろでろではなかつた爲、樂勝で完食出來さうだ。
しかし、食べ進むにつれ、ひと口目の印象が段々變はつてゆくのに氣附く。當初、強烈に感ぢられた旨味攻撃にも慣れて來て、後味の氣持ちの惡さは感ぢられない。反してじわじわとボデイブローの樣に効いてくるのがその「こつてり」。決してでろりとした粘度ではなく、濃厚なラーメンを食べた時の樣に喉に引掛かつてしまふこともないのではあるが、尻構ヘヴイで胃の邊りが段々と重くなつてくる。
何でも約20人前を作るのにモミヂ10kgも使つてゐるのださうで、コラーゲンは十二分量入つてゐることだらう。材料安定供給が出來づに今月限り、といふのもやむなるかな、である。
味の構成で注目すべきは節系のダシの存在であらう。鷄のみだとどうしても單調になつてしまひがちな味を、飽きることもなく食べ進められる樣に仕上げられてゐるのはひとえに節のイノシン酸の存在ゆえ、だ。上の記亊で波平氏「途中でちょっとクドくなってくる」 と書いてをられたが、私にはダシの旨味成分よりもコラーゲンの重さでクドくなつてゐる樣に感ぢられた。
私と波平氏はともに鷄系のダシ+ 餘計な グルタミン酸成分の追加、から來る後味を苦手としてゐる。例を擧げると「風花」「ぴつかり食堂」「大中」「ほうれんそう」等で、私はこれらの店のラーメンを食べた後、 必づ胸が惡くなつてしまふ のだ。此の「鷄こつてり」もひと口目にはもしかすると・・・との思ひがあつたが、その樣なこともなく最後まで美味しく頂けたのには正直、ホツとした A(^。^;)
きんせい」H.P.で「食感を今までより柔らかく仕上げた」と書かれてゐた新開發の麪は、たしかに以前のものよりは柔らかくはなつてはゐたものの、それは齒應へに於ての話であり、やはり全體としての「硬さ」はまだ殘つてゐた。私は決してヤワ麪派ではないのだが、どうも「きんせい」の麪とは相性が惡い。小麦、或いは鹹水の問題か、それともつなぎの問題なのだらうか?この「硬さ」は洋風のスープ、例へば「五大力」とかには合ふのではないかと思はるるのだが、和風に振つてゐる「きんせい」のスープにはまだまだ「むつちり」感が足りづ、合つてゐない。
今囘はそれに加へて表面が少々ザラついた食感だつたのが氣になつたが、スープとの絡みを重んじた結果であらうか。
無論、以前の麪であらば此のスープとは 致命的に相性が惡かつた 筈なので、それよりは改善されてゐるとは思ふ。ただ機會があれば一度、 鹹水を變へて 打たれた麪で食してみたひものである。

さて、この「鷄こつてり」、たしかになかなか良く出來てはゐるが、「和風とんこつ」の樣に他のレギユラーメニウを抑へて突出した出來か、と言はるると、そこまでのものは感ぢられない。
多分、レギユラーメニウ入りしたとしても、私は「燻製鷄塩」の方を擇ぶであらう。


月 旧一的評價;★★★

*1:id:menmenmen:20041009#p2

*2:id:menmenmen:20041104#p2

*3:id:menmenmen:20041130#p1

*4:http://www.1-taro.com/