「八光軒」@淀競馬場近く 2006.01.25實食

淀競馬場の近くの店として、昔から有名な店。歴史は古く、かれこれ30年位になるらしひ。
店構へはそこいらの定食屋風、客層も立地条件がもろに反映されており、競馬場のお客やトラツクドライバー等が中心となつてゐる。
此の店のラーメンをひと言で言ふと、「懷かしひ味」。まさに30年前のこのテのお店の「中華そば」そのもので、全くダシの取れてゐなひ醤油味だか胡椒味だかわからん樣なスープに昨今では珍しひ鹹水臭ひ麪がこれでもか!とばかりに丼に押し込められ、それは食べてゐる最中にスープを吸つてどんどん増殖してゆく。またトツピングは貧乏臭ひチヤーシウと、ただでさへ薄ひスープを更に薄める大量のモヤシ、と味に關してマイナス要素のオンパレード、である。
此に大量の化調が入つてゐたならばそれはそれである意味完璧とも言へるかも知れなひのだが、化調味は感ぢられなひ。それもその筈、PAPUA氏のペーヂ(http://www.oct.zaq.ne.jp/papua/ramen-kyo-hsm.htm#hsm-05)によると、何と無化調ださうな。道理で鹹水の苦味がもろに傳はつて來る筈だ。
こんなラーメンが此の平成の時代に今どきあるなんて、卉界の七不思議のひとつに數へてもいいんぢやあなひだらうか?・・・いや、存在はしても、それがラーメンガイド夲に掲載されたり、あまつさへは褒める樣な記亊があることがまつたくもつて解せなひことこの上なひ。

別にラーメンがマズヒこと自体には何の罪もない。その樣なラーメンを求める客がゐることも、また否定はしない。
しかし、このレヴヱルのラーメンを普通のラーメン店と同列に語り、讀者に誤つた先入觀を植え付ける樣な記亊を書くのは詐欺まがいの犯罪行為にも似る。
他にネタが無ひのか?營業時間が短ひのがプレミヤーム性を増すとでも考へたのか??以前「愛しのラーメン」で「元町ラーメン」の記亊を書いた際にも言つたことはあるのだが、グルメガイド夲を編集する際の安易な店の選擇だけは謹んで頂きたいものである。

此の店には中華そばのスープでうどんを供する「中華うどん」なるメニウがある。こちらの方が鹹水臭くない分食べやすひかも知れなひが、別にわざわざ此の店でうどんを食べなくともちやんと打たれたうどんを和風ダシで食べた方が美味ひであらう。最初は一度食べてみやうかとも思つてゐたが、まあ再訪することは無かろう。


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