「大津 天下ご麺」@浜大津 2005.05.14實食

所用で草津に行つた歸り、折角近くを通りかかつたことだし立ち寄つてみる。
水口の夲店(なのか?)で食した「醤油そば 赤玉心麺」は以前レポート(id:menmenmen:20041020#p1)した通り、不味くはなひのだが美味ひ譯でもなひ、なんとも平板で凡庸な味であつた。
土曜の昼時といふこともあり、げうれつが出來てゐたので「並んでまで喰いたひか?」と自問自答。答へは勿論「否!!」であつたが、まあ私が喰つた「赤玉心麺」の出來がたまたま惡かつたのかも知れなひ、と思ふことにして並ぶ。前に並んだミヨ〜にテンシヨンの高ひ、ラツプ系フアツシヨンの肥つた若造が仲間とギヤアギヤアしやべくり無茶苦茶ウザひ。
劵賣機で「熟成醤醤麺」を購入して並んでゐたところ、ラーメンゾンビー背脂いつちやん(http://d.hatena.ne.jp/ramen-zombie/)から「近江塩鶏麺」「和風げんこつ麺」邊りがオススメだとのメールが入り、急遽メニウ變更。鷄の氣分では無かつた故、追加金200圓を払つて「和風げんこつ麺・あぶりチヤーシウ」にする。
店内は薄暗ひ。先日訪れた「鏡花」@立川の樣に丼を持ち上げるとスープの色もわからなくなる、ほどの酷さではなかつたものの、女の子を口説くバアぢやあなひんだからもつと食べ物の色を引き立たせる照明つてえもんがあるだらう。まあ最近は飮食店でも照明を落とすことによつてプライヴヱート感を演出してゐる店も多ひさうだし、それをすると電氣代は安くつくし内裝に金かかつてなくてもわからなひ、そして極めつけはラーメンのヴイヂユアルがマズさうでもわからなひ、と店にとつてはいいことずくめなのだからその經營方針を無下に否定する氣は毛頭無ひが。
やつと着席出來てから暫く待ち、これまたやつとラーメンが來る。カウンタの中では何人かが休む間もなく動き囘つてゐるんでそこまで要求するのは酷なことかも知れなひが、ラーメンが來てからこちらが頼まなひとお冷やが出て來なひ、といふのんはちと氣配りが足りなひんでわなひかな?
まあそんなマネーヂメントに關しては私にとつてはどうでも良ひ。早速、ラーメンの味を檢証と行かう。
スープをひと口。ぬるひ。魚系のダシを煮詰めるといけなひんでこんな温度になつてしまふのかも知れなひが、まう少し工夫は出來なひものか。
あとそれなりにとろみはついてゐて、魚系の香りも確かにするのにダシの良さが感ぢられなひ。それでゐながら豚骨成分の重さのみが前に出過ぎてゐる爲に全體としての統一感が無く、「しやかりき」のひどかつたとき(http://d.hatena.ne.jp/menmenmen/20050322#p1)の樣にそれぞれのダシがケンカこそしてはゐなひものの不協和音が出てゐることは確かだ。先日「満天」で見亊なハーモニイの和風豚骨を食した後だつたので餘計にさう感ぢらるるのかも知れなひが、その後に行つた「虎一番(ビリ)」の和風豚骨でも、食べた時は多少の違和感をおぼへたにもかかわらづ、この「和風げんこつ麺」よりは遙かに良くまとまつてゐたことも考へるとやはり腕が未熟なる故だと考へざるを得なひ。
また、ダシの不協和音以外の問題点として、味が薄つぺらひのにスープ内のグルタミン酸成分だけがそこそこ感ぢられるのはいかなる亊であらうか。化學調味料非使用とのことだが、もしかしたら化調ではなくても何らかの天然素材由來のグルタミン酸ヱキスが使用されてゐるのかも知れなひ。まあこちらにつひては氣持ちが惡くなるほどのものではなかつたので別に深くは追求るつもりはなひが。
中太の麪はぷりぷりこそしてゐるが、香りも味も無ひ味氣なひモノ。食感だけはスープに合つてゐる。
ただ一点、褒められるのは「あぶりチヤーシウ」だ。外側は香ばしく、中はジユーシイに仕上げられたチヤーシウはとても美味かつたので、次囘は是非、「燒・燒豚飯」を頂きたひと思ふ。ビイルの有無は確認しなかつたが、此のチヤーシウとビイルだけで飯を濟ませてもいい位である。
また、「あぶりチャーシウ」は味のバランスを考へて「近江塩鶏麺」「熟成醤醤麺」には設定してゐなひとのことだが、それは賢明だと言へるだらう。いや、この「和風げんこつ麺」ですら「あぶりチャーシウ」で味がかすんでしまふ位なので、その味を支へ切れるダシを引くことが出來る樣になるまでの間、まういつそのことラーメンに載せるのをやめてしまつては如何だらうか。
私の評價はあくまで味に對してだけなので☆の數には關係しなひが、量もかなり少なひ。少食の私ですら完食したのちまう一杯頼んでおけばよかつたか?と思つたほどである。ぞむびーなどはデフオルトで二杯喰わなひと餓死してしまふであらう。
しかし、この程度のラーメンでこれだけのげうれつが出來るとは、滋賀はかなりの穴場と見た。「ラーメン道」もこつちで營業した方が流行つたのではなひだらうか?
店を出たときにさつきのラツプ系豚野郎が「あーうまかつた!」と周囲が顏をしかめる樣な大聲で叫んでゐた。少なくとも私の樣な味覺の者よりは彼の方がはるかに人生が樂しひのであらうと思ふとその点だけは羨ましひ。


月 旧一的評價;☆1.5。