「麺道 しゅはり」@六甲道 2005.06.19實食

「麺哲」庄司氏から「是非一度行つてみてあげて下さい」と言はれてゐたのだがなかなか機會に惠まれづ、今囘やつと訪問することが出來た。
店名の「しゅはり」につひては色々なペーヂで説明が書かれてゐるので、わざわざここで述べるべくもなからう。
潮らあめん(650圓)+半熟味付玉子(100圓)を ちう悶 www

潮らあめん650圓+半熟味付玉子100圓

第一印象として、麵の食感や肉の齒應へを殘したチヤーシウ等、塩ラーメンとして私が今迄に食べた中でベスト3に入る「本丸亭」@本厚木に非常によく似てゐる。
スープをひと口。その「本丸亭」を期待してゐたのだが、比較すると塩味が足りづ、ダシも今ひとつ弱つちよろく感ぢられた。
食べ進んでゆけばそれなりに味がしてくるのか、と思ひつつ食べてゆくも、やはり ひと味足りない 不滿感は解消出來づ。また「神助」の樣に意図的にタレを弱くしてスープの味を味はゝせるタイプなのか?と好意的に解釋してみても、それにしてはダシが控へ目に過ぎる。
ここで、机に置いてある塩ダレの味を見てみる。塩ダレ自體に旨味を持たせてゐる譯ではなささうだが、取り敢へづ亊態の好轉を期待して少量加へてみると、これがドンピシヤ。タレの旨味ではなく、タレがスープの持つ旨味を増幅させた、といつた感ぢに仕上がつた。
塩加減が丁度良くなつてみると、最近の店に多い、塩のカドが立つた「ダシではなく塩を喰はせる」樣なシロモノでも、ダシ以外の成分の旨味が強すぎて食べてゐて氣持ち惡くなる樣なものでも無かつたことにはじめて氣附かされる。
麵は某MIG氏*1によると「麺哲」が「無鉄砲」の中華そば用に作つてをらるるものと同ぢものださうだが、氏も書かれてゐる樣に茹で加減が違ふからか、食感がやや硬めで彈力が強く、ぷるん、と跳ねる感覺が強かつた。また「無鉄砲」で食した時(2005.03.24實食、記亊無し)よりも透明感が少なく、やや白つぽく見へるのは照明の加減だらうか?それとも季節的なもので麵生地の配合が變へられてゐるのだらうか?
チヤーシウは先述の通り、肉の齒應へがしつかりと殘つてをりなかなか美味い。肩ロースと腿肉の樣だが、スープがあつさりしてゐるので卷きバラなんかを使つても面白いかも知れない。
他にトツピングとしてネギ、メンマ、海苔、ワカメとそしてオクラが一切れ載せられるのだが、果たしてワカメとオクラは必要なのだらうか?まあラーメン全體のバランスを崩してはゐないので即刻排除しろ、とまで言ふつもりはないが、さういふ風にデザインに凝る前に、他に氣を配るべき亊があるのではないだらうか。
トツピングの半熟味付玉子は冩眞を見て頂ければわかる通り、黄身の一部に火が通り過ぎてボソボソしてゐた。「大勝軒」の玉子が固ゆででも目をつぶるが(笑)、いやしくも品書きに「半熟」と書いてある以上は黄身に火を通し過ぎない樣にして頂きたいものだ。

色々文句はつけたものの、ケツ論としてはかなり出來のいいラーメンであつた。少なくとも私がここ數年の間に兵庫県下で食した塩ラーメンの中ではベストであらう。・・・ただし、塩ダレさへちやんと最初から調整出來てゐれば、のことだが。

塩ダレが弱かつたのはいかなる理由からであらうか?もしデツフオールトで出された味を店主がベストだと思つてをられたのなれば、その味覺のセンスが疑はれる。しかし、他の部分の出來の良さから察するに、わざと弱めに作つておいて「しよつぱい!」と文句を言はれない樣に配慮し、濃いのが好きは人は後から調節してくれ、といふ樣に感ぢられた。
この、思ひ切りが弱く、客におもねる樣な作り方は、言つてみれば店主の自信のなさに他ならない。諸氏のレポートを參照するに、今ひとつ味が安定してゐない樣にも思はるるし、ダシの出來が誤魔化し辛い塩ラーメンであるが故に難しい部分はあらうが、その時その時でベストの状態を店主自身が調整した後に客に供して頂きたいものだ。

客自身があとから調整出來るからといつて、店がその味の決定權を客に委ねるべきではない。

これからの飛躍を期待する。


・・・さういへば、以前大いに期待してゐた「楓」は今はどうなつてしまつたんだらう・・・


月 旧一的評價;★★★+0.5!!

*1:id:ross-mig:20050421 ※リンク切