麺屋「しゃかりき」@千本丸太町 たまり醤油らーめん 2006.02.25實食 

お店の貼り紙では「鰺煮干と鶏のWスープ、タレにはたまり醤油を使つた、少し甘口の醤油らーめん」となつてゐる。
この「たまり醤油らーめん」は背脂入りと無しのどちらかを擇べる。店主が「無しの方が美味いと思ふ」と言つてをられた、とのことで背脂無しで ちう悶 www


たまり醤油らーめん650圓


スープの色は「新福菜館」の如く黒色に近い濃さ。しかし、色から想像するほど醤油辛くはなく、また「少し甘口」となつてはゐるが、特に甘さが突出してゐる譯でもない。
鰺煮干と鷄のダシは十分に出てゐるがヱグみや臭味が無く、とてもスツキリしてゐる。ひと口目の味はひが單調なので途中で飽きないか心配であつたが、後述するタレとの旨味のバランスがとても良く、氣が附いたらスープを全て飮み干してしまつてゐた。
たまり醤油を使つたタレは旨味十分、かと言つてあのグルタミン酸過多の嫌味な後味もなく、こちらもスツキリした印象だ。カドの取れた醤油のうまさがよく出てゐるので、醤油馬鹿を自稱さるる方は必食であらう。

此のラーメンの課題は麪である。店主は「まう少し太目で、低加水の・・・」と言つてをられたが、確かに「新福菜館」に倣つて低加水の麪に醤油色を染み込ませる、といふヴイジユアル上のイムパクトを狙ふのなればそれでも良からう。しかし、此のスープにはどう考へてもツルツルと喉越しの良い 多加水麪 の方が相性がいい樣に思はれる。
私が今迄に食べた中では「信濃屋」@多治見の「支那そば」に使はれてゐる、手打ちの半透明の平麪の樣なものを合はせて頂きたいのではあるが、某麪屋さんも御多忙な中、一日仕亊で多治見まで足を運んで頂く譯にもゆくまい。
近場で合ひさうな麪を探すと「とっかり」@正雀 の熟成多加水麪か、或ひは百歩譲つてツルツルした平麪、といふことで「満月」@門戸厄神 の佐野ラーメンタイプの麪か、なんぞは如何であらうか?「麺哲」@豊中 の庄司氏の打つ、つけ麪用のビラビラした平麪とかも良いかも知れない。是非とも一食して頂き、ひとつの方向性として御考慮頂きたいものだ。

あとウデ肉チヤーシウが載せられてゐたが、全體のバランスを考へるとやや貧相になつてしまふ感は否めない。もし違ふタイプのチヤーシウを仕込む餘裕あらば、かういふスープにこそ卷きバラを使つて頂きたいものだ。

總括として、麪さへ何とかなればなかなかオモシロヒラーメンではある。しかし、それはあくまで「しやかりき」のレギユラーメニウを制覇した人間がその違ひを樂しむ、といふレヴヱルの話であり、初訪の方がいきなり食べてもあまり感動は無いのではなからうか。


月 旧一的評價;★★ (現状での点數、あとは麪次第)。