ラーメン「一(KAZU)」@北大路 こってりWスープラーメン 2006.01.03實食

初訪時「ダブルスープ」を名乘りながら魚ダシによる恩惠を何一つ持たない 平板で薄つぺらなスープ 、そして食感最惡の プラステイツキイな麪 にげんなりし、再訪時も全く同ぢ感想・・・で二度と足を向けることは無いだらう、と思つてゐた。しかし今囘、新メニウの「こってりWスープラーメン」がとしむねひとりごと。「ノーマルのスープに物足りなさを覺へる人も食べてみる價値がある」 との評だつたので、三度目の正直を祈りつつダメモトでリヴヱインヂしてみた。


こつてりWスープラーメン750圓


先づは冩眞を御覽頂きたい。初訪時のWスープラーメンの冩眞と比較してスープの透明度が低いのもさることながら、スープの縁に泡が澤山ついてゐるのがおわかりにならうか?實はこの泡は結構重要で、しつかりとダシの取られたこつてりラーメンは、必づと言つていい程スープの縁に泡がつくものなのだ。
此の亊實を發見したのは某ライター氏*1なのであるが、確かにそれは一理ある。豚骨等に含まれるコラーゲン、此が加水分解さるることにによりゼラチン化し、界面活性劑として機能して水と脂肪を結びつけた尻果、脂肪が乳化してコクのあるてろりとしたスープになる譯なのだが、界面活性劑の別の作用として 「起泡」 といふものもあるのだ。
石鹸を思ひ出して頂ければおわかりであらうが、界面活性劑が働くとこの泡が出來やすい。逆に言ふと 泡が立つてゐるスープ=コラーゲン成分が豐冨→コクがある 、といふ考へが成り立つ。
まあ「コクがある」の「コク」とは如何なるものか、についての論議もあるだらうし、ただコクがあればいいのかといふと、ありすぎても喰えたものではなくなる(id:menmenmen:20040601#p1)のではあるが、少なくともこの 「泡」が立たない樣な豚骨ラーメンは軒並みシヤバい 、といふことだけは確かである。
話を夲題に戻さう。この「泡」の立つた「一(KAZU)」のこつてりラーメン、味のまとまりがただのWスープラーメソの時と比較して 飛躍的な向上を見てゐる 。「ダブルスープ」といふ觀点から見ると前囘同樣 魚の恩惠が皆無に近い のではあるが、動物系ダシに重きを置いた此の配合できつちりと乳化されたダシはコクがあり、 最大の難点であつた奥行きの無さが劇的に改善されてゐる
先述のとしむね氏は 「やや調味料が効きすぎ」 だと表現されてゐたが、その後改善されたのか私が食べた時はそれは感ぢられづ、少なくとも 化調味がいつまでも舌に殘る 「ガツツン」などよりは遙かにナチユラルな旨味であつた。
スープのみならづ、麪の方にも手を入れられたのであらうか?前囘感ぢたプラステイツキイな食感の惡さはなく、美味い!と褒められるほどの出來ではないにしてもシコシコと良い食感であつた。
チヤーシウだけは相變わらづ。炙りチヤーシウだとどこかで讀んだ記憶があるのだが、 炙られた香ばしさよりも脂臭さの方が際立つてをり 、あつさりスープなればまだしもこつてりスープに載せられるとまるで 「拷問」 の樣だ。杯數が出ない店にスープに合はせてチヤーシウを使ひ分けることまでを望むのは酷なのかも知れないが、この邊りの 無神經さ が改善されれば更なる向上が見らるるであらう。
2005年、ラーヲタの間では京都市内の「こつてり」新店で、「ガツツン」*2 *3 と「亜喜英」の二店が話題をさらつたが、今囘の「ラーメン一(KAZU)」の「こってりWスープラーメン」は、その二店に勝るとも劣らない、よくまとまつた味はひの出來の良いスープであつた。


月 旧一的評價;★★★


追記
評價には反映させてゐないが、あの薄暗くて寒々しい内裝は何とかならんもんだらうか?
とても居心地が惡いのだが、落ち着けないのは私だけなんかな?


ラーメン一(KAZU)