「麺屋しゃかりき」@千本丸太町 醤油つけそば(試作麵) 2005.11.24實食

麵の粉を變へた試作品がある、とのことだつたので、試してみた。

やや黄色味がかつた中に粒々が見られる麵は、色の濃さや粒々の大小の差はあれ玄麦粉を使用した「カドヤ食堂」のつけ麵用の新しい麵(id:menmenmen:20050706#p1)に似てゐる。

此の試作麵を食べた印象は、確かに香りは良かつたもののいかんせん 食感が硬かつた 。通常の麵とは加水率から變はつて來るだらうし、まだ試作の段階なのだから仕方無いことなのかも知れないが、喉越しはさておき齒應への上では現在使用中の麵と比較すると 格段に劣る
その硬さに反して麵自體の味はひはふわりと「輕い」感ぢである。
麵單品としてそれはそれで惡くはないし、さういふ麵を好む向きがあることも承知してゐるのだが、少なくとも私はさういふ味はひの麵を使つたつけ麵を好ましくは思はない。
この麵の「輕さ」に合はせる爲にだらうか、つけ汁もいつものヘヴイなものではなく豚骨成分を抑へて煮干を利かせたものになつてゐた。その邊りをきつちりと調整してくるところなんぞはさすがだと思はせられたが、それでもやはりつけ汁に麵を入れてしまふと汁の重さの方が勝つてしまひ、相性はまずまず、といつたところだ。
先日レポートした「大吾郎商店」(id:menmenmen:20051122#p1)もさうなのだが、最近増えて來た關西のつけ麵は麵自體の香りや味につひては追求してゐるが、その 食感に無頓着 なものが多い樣に思はるる。此の試作麵をブラツシユアツプしてゆきつけ汁も魚系優位にして、といふものを作れば、それはそれとしていいものに仕上がつてゆくであらうが、果たしてそれが「しゃかりき」の目指すべき方向性なのであらうか?
さういふつけ麵は他の店に任せておいて、「しゃかりき」は今まで通り「ガツン!!」と濃厚なつけ汁でムテイムテイと食感の良い麵をワシワシ喰はせる「つけそば」を作つて行つて頂きたいものだ。

月 旧一的評價;★★★