「手打蕎麦たかせ」@神保町 2005.10.28實食 by 月 旧一

評価;☆☆ 寸評;評判店「乃むら」の後繼?
住所;千代田区神田神保町2-21-10 高野ビル1F
Tel.;03-3288-1370
最寄り駅;地下鉄神保町駅徒歩3分
営業;11時半〜15時(14時L.O.)、17時半〜23時(22時L.O.) 日・祝休
席数19(カウンタ4+テーブル4×2+2×1+5×1) 駐車場無し
最終訪問;2005.10.28(金)(初囘訪問同ぢ)

主なメニュー;せいろ700円、田舎750円、本日の変わりそば900円、三色1000円、鴨せいろ、天せいろ各1400円、かけ750円、鴨南ばん1450円、天ぷら1450円、玉子焼き600円、焼き味噌500円、鴨抜き800円、そばがき1000円、鴨の陶板焼き1200円、天ぷら盛り合わせ1200円他
酒;純米吟醸山田錦1000円、純米吟醸華想い1000円、豊盃倶楽部・秋ひやおろし1300円、特別純米800円、萬代芳・山廃純米吟醸生原酒900円、鶴齡・特別純米1000円、奈良萬・純米900円他

九段「斑鳩」でラーメンを食した後、いくばくかの時間的餘裕があつたので蕎麦屋を探す。
チヱツクリストを見ると、隣の神保町に「乃むら」があるではないか・・・しかも土、日休みといふことなので、平日に出歩ける此の機會を逃す譯にはいかない!と訪問。
地図を片手に驛からしばし歩くと、あつたあつた、蕎麦屋が。
・・・?
・・・「たかせ」?名前が變はつてしまつてる??
まあ蕎麦屋の卉界では名前が變はるのはさう珍しい亊ではなく、近くの「九段一茶庵」は以前「箒(ははき)」といふ名前であつたし阿蘇に移轉した保谷の「漱石」は「おもちゃ箱」といふ名前だつた。また、私が☆☆☆☆☆をつけてゐる亀有の「吟八亭やざ和」も以前は「吟八亭富岡屋」であり、「九段一茶庵」につひては知らないが「漱石」と「吟八亭やざ和」は店名の變更後も店主は一緒であつたので試してみることにする。
店内は小じやれた雰囲氣、カウンタ席の端つこに陣取り、先づは酒。
酒のメニウのトツプには弘前の「豊盃」がある。他の店ではあまり目にかかることのない、かういふ酒がメインなのはいいねえ。純米吟醸山田錦純米吟醸華想い、豊盃倶楽部・秋ひやおろし特別純米と種類があつたが、少しクセのあるのが飮みたかつたので「豊盃倶楽部・秋ひやおろし」を選擇。
空けてから少し經つのか荒々しさはさほどでもなく、澀味と酸味が少し出てゐたが、氣になるほどではない。派手さこそなかつたものの、なかなか樂しい酒である。
アテにはそばがきを選ぶ。湯に泳がされて供さるる紡錘形のそばがきは、細かく挽かれてをりつるり、とろりとした食感で香りはあまり立たない。一人で酒のアテにするには少々量が多すぎて、食べ切れなかつたのでこの半量位が丁度良いのだが、まあ少量ずつ作るのは大變なので此の量で此の値段設定になつてゐるのだらう。
そのうちお昼休みになつたのか、あつと言ふ間に19席の店内は滿員になつてしまつた。そして、殆どの客がお昼のセツトメニウを注文してゐる。カウンタの隅とはいへゆつくりと盃を傾けてゐるのは少々ばつが惡かつた。
蕎麦はせいろ、田舎と夲日の變はりそばがある。せいろと田舎を一枚ずつ、と行きたいところだが、結構腹が膨れて來たのでその三種類が樂しめる「三色そば」をちう悶。夲來は變はりそばなど必要無いのであるが、殘してしまふのも何なのでまあ仕方あるまい。

せいろそばは新蕎麦にしては香りが今ひとつ立つてゐなかつたが繋がりは良く、噛んだ時の食感が良い。
田舎はありきたりな味。香りもさほど無いがゴワゴワしてゐなかつたのだけが救ひか。
ツユは一見薄さうな見かけの割にしつかりとした辛さはあるが、少々甘さがくどいのが難点。
夲日試した限りでは、置いてある酒の品揃へ以外は凡庸でありきたりな味に過ぎなかつた。しかし、雰囲氣は良いし、決してマズい譯ではないので近所のOLさん逹がちよつと食べたり飮んだりするにはいい店なのであらう。
どうやら、「たかせ」は「乃むら」とは違ふ店であつた樣だ。ま、いい酒が飮めたからよしとするか。
ただ、この「そこそこ」の味で果たして激戰區の神保町で生き殘つてゆけるのだらうか?