「ごげう」@柳馬場蛸薬師下ル 焦がし味噌麺 2005.09.18實食

私の夢によく出て來る中華料理屋がある。道路に面してゐるのではなくどこかの驛ビルか地下街の、少しさびれた飮食店街にあり、ピンクと紫のいかにもマズさうな看板を出してゐる店だ。
夢の中の話であるが故、實際に食べるシチユヱイシヨンには至らぬのだが、店の前に立つと何故か以前食べたであらうその店の味だけは鮮明に思ひ出される。強烈な化調系の氣持ち惡ひ後味だつた筈なのに、食べてゐる最中は美味ひと思つてた、といふ記憶がしつかりと殘つてゐるのだ。
のつけから譯の分からなひ話で申し譯ないが、その味の記憶にそのまま當てはまるのがここ「五行」の「焦がし味噌」なのだ。
ひと言で言ふと、燒肉のカルビをしつかりと燒ひて、タレをた〜〜〜つぷりとつけて食べてる樣な味。甘さと化調味の旨味、そして脂と焦げの混ざつたが渾然一體となつて、一囘食べたら忘れられなひイムパクトを与へてくれる。このジヤンキイな味は食べてゐる途中で胸が惡くなるのでわ?と思つてゐたが、そこは河原氏のあざとさ、初訪時はあれよあれよといふ間に完食してしまつてゐた。
麪はややゴワゴワしてをり、單體ではさして美味くもなひのだが、此のスープには合つてゐる。
具はバラ肉チヤーシウ、ナルト、海苔、に加へて水菜、キャベツと卵燒きが載る。普通のラーメンでこれだけ色々なものが載るとゴチヤゴチヤした印象になつてしまふ筈なのだが、あまり氣にならなかつた・・・といふか、此の記亊を書くにあたつて冩眞を見直して、「水菜なんか載つてたんだ・・・」と初めて氣附ひた位である。まあどちらかといふと視覺的な効果を意識してゐるのだらう。
今囘、久々に「焦がし味噌」を食したのだが、初訪時とは違つて化調味に耐へ切れづ完食には至らなかつた。それでも唯一無二の個性ある味であり、胸が惡くなつても何かの拍子にまた思ひ出されるイムパクト、それを作り出す河原氏のあざとさには脱糞・・・もとい脱帽する他ない。

月 旧一的評價;☆☆+0.5。

P.S.
此の「五行」でいつも感心させらるるのは、店員教育の徹底だ。醉つぱらつた客の無理な注悶にも、ウルサヒだけのクソガキ連れにも笑顏で應對。特に場所取つてウルサくて客單價の低ひクソガキ連れに對する優しさは接客業の鑑である。
くそ。こんなところもアザトヒなあ。