「龍馬」@銀閣寺道 「京の塩ラーメン」 2005.04.24實食

前囘訪問は2003年の7月。病み上がりで胃の調子があまり良くなく、こつてりしたラーメンは入りさうになかつたので「中華そば」を試し、うどんだしの樣なスープが胃にとても優しかつたものの、逆に健康な時に食べたら うすらボケたスープ に滿足出來ないだらうなあ、との感想であつた。
今囘、某MIG氏のレポート*1「塩が旨いよ」 とのことだつたので、關西の塩ラーメンの現状に嘆ひてゐたこと(id:menmenmen:20050419#p1)もありその實力のほどを試しに再訪。勿論、グルタミン酸過多による後味の氣持ち惡さを塩のミネラル分のせいではなひかと云はれた亊に對する囘答も兼ねて、である。
日曜日の21時過ぎ、長いカウンタ席はほぼ滿席。前囘訪問時は平日の、開店時間から間もない18時半頃だつたのでガラガラであつたが、この混み樣はどうだ。・・・こんな人氣店だつたのか?
「京の塩ラーメン」をちう悶。しばし待つ。
スープはいちいち小鍋でブレンド(?)してゐるが、麪は何人分かをうどんてぼで茹でてゐる。まあ一人でこの人數を捌くオペレイシヨンなればいたしかたの無いところであらう。

暫く待つた後、ラーメンが供さるる。先づはスープをひと口。
「・・・おおつ?!」
ダシは動物系が先に感ぢられ、魚系は自己主張せづに裏方に囘つてゐる樣ではあるのだが、色々な要素が渾然一体となつてゐて何がメインとなつてゐるかの判別をつけるのは難しい。しかし「中華そば」を試した時の樣に焦点がボケた感覺は全く無く、前囘の記憶とは逆になかなかしつかりしてゐる。そして何より旨味成分が前に出過ぎづ足らな過ぎづ、とてもいいバランスを保つてゐたのだ。
また塩ダレもイガイガする樣な塩辛さのカドがなく、所謂「ダシではなく塩を喰はせてゐる」状態にならづによくこなれてゐる。今囘は丼の底に沈んでゐたミンチも食べやうとしてスープを全て飮み干してしまつた爲、塩分の攝取量が多くなるにつれてだんだん塩辛く感ぢては來たが、「カドが立つ」といふ感覺では無かつた。
さて、後味についてであるが、「龍馬」では「風花」「ぴつかり食堂」で感ぢる樣な スープを飮んだあとの氣持ちの惡さは感ぢなかつた ので、やはりあの氣持ち惡さはミネラルたつぷりの塩から來るのではなく、 グルタミン酸過多 によるものであらう。ミネラル成分が多いことによる影響は後味にではなく先程書いた、「スープの塩分のカドが立つことがない」ところにあらはれてゐるのではないだらうか。これに關してはミネラル成分の多い塩を使つてゐるといふ「龍馬」「風花」「ぴつかり食堂」の三軒ともが「塩を喰はせる」のではなく「ダシを味ははせる」スープになつてゐる、といふ共通点がある。
麪は一見、プラステイツキイに見へるのだが實際の食感はさほど違和感無く、ヘンにのびもせづに最後までシコシコした食感が樂しめた。決して「美味ひ!」と絶賛出來るほどのレヴヱルではないのだが、特にケチをつける点も見當らない。
卷きバラのチヤーシウも特に美味ひ譯ではなひが、あつさりスープに丁度良いアクセントとなつてゐる。

全體の印象として、とてもまとまりの良い一杯であつた。先日食して來た「夲丸亭」@夲厚木の樣な、食べた瞬間「美味ひ!!」と感動するほどの派手さこそ無いものの、「塩ラーメン」として過不足なくしつかりと作られてをり、何よりこの私がケチのつけどころがない、といふのが此のラーメンとしての完成度を一番良くあらはしてゐるのではないであらうか。

いつものごとく、コストパフオーマンスに關しては の數には反映させてゐないのではあるが、この出來で500圓ワンコイン、といふのはかなりお値打ちである。


月 旧一的評價;★★★

*1:id:ross-mig:20050418※リンク切