博多「一幸舎」@京都拉麺小路 2006.02.02實食

この2月1日、京都拉麺小路の店舗入替で「すみれ」とともに來たのがこのお店。恥づかしながら私は全く名前を知らなかつたのだが、調べてみると「超らーめんナビ」の福岡県ランキング第1位ださうな。(でも、2位があの名前を出すのもはばかられる樣な、史上最低の客あしらいの店だからなあ)
創業は2004年3月。かなり新しい店ではあるが、前囘九州遠征(2004.11)の時にその存在を知つていたら先に本店の味を試してをれたのに、と悔やまれる。
プレオープンに行かれた武内氏の「京都ラーメンマツプ」の記亊*1や、開店初日に行かれたt_cognac氏の記亊では評判がすこぶる良かつたので、 ヘンに味が關西向けに調整される前に 、と思つて早々に試して來た。
平日の、しかも18時過ぎといふ早目の時間といふこともあつてかげうれつは無く、前の數人が劵賣機でもたもたしていただけで、すぐにカウンタに座ることが出來た。
夲店の記亊をググつてみると、かなり豚骨臭が強いといふ評判だつたので多大なる期待を持つて行つたのだが、店外も店内にも豚骨臭は皆無。やや拍子拔けしたが、まあかういふ集合施設での出店なれば致し方の無いことであらう。「一幸舎」も「博多ラーメンスタヂヤーム2*2出店の際に臭ひ消しのノウハウを覺へてしまつたんだらうか・・・
ちう悶はラーメン(600円)。開店記念で半熟味玉子がサーヴイス、といふことで、豚骨ラーメンには合はないといふことはわかりつつも入れて貰ふ。
・・・なんて貧乏性なんだ・・・orz


ラーメン600圓


さて、スープをひと口。
まあ豚骨ラーメンに詳しい方々なら冩眞を見ただけで想像がついてゐたであらうが、案の定シヤバい。能書きには 「豚骨本来の『旨み』『甘み』を引き出した濃厚且つクリーミーな仕上がり」 と書いてあるが、膠質成分が少ないが故に、濃厚でもクリーミイでもない。
ただ、某「しえからしか」の樣にコスコスと痩せ細つた後味ではなく、そこそこ喰へるモノに仕上がつているのはひとえにタレの力のお陰であらう。やや 人工的 な感は無きにしもあらづだが、何でも 「福岡地醤油3種類と魚系6種の出汁をブレンド してあるさうで、魚こそ香らないものの(逆に魚の匂ひが出てしまつたら問題であらう)メインの豚骨ダシの不足分を補つて餘りある。また、最近の博多のラーメン屋の有名どころの多くが、 ダシがまともに取れてゐない くせに、ただただ 油を多く入れただけ「こつてり」だと勘違ひしてゐる ワナに陥つているのだが、「一幸舎」は ダシの弱さ に合はせてか油の量も少な目であるので、そのあたりのバランス感覺にも優れている。
當然、 イヒ 言周 ロ未 もする。まあ九州の醤油はデツフオールトで化調入りのものが多いさうなので、もしかするとそのせいなのかも知れない。しかし厭味な後味がいつまでも舌に殘る程では無く、少なくとも私にとつては十分許容範囲内である。
「スープとの相性を一番に重視した」 といふ麪は、お馴染みの低加水の極細麪・・・だと思つたら、何と「加水率を高くした」麪、だとのこと。しかし食感はまぎれもなく低加水のそれであつたから、多分「 加水率が高い」といふ意味なのではなからうか。
最初、麪のかたさを普通でちう悶したところ、ややヤワめの茹で上がりではあつたがそこそこコシはあり、店のH.P.*3で語られてるゐる 「もちもち感」「小麦粉の香りが口いっぱいに広がり」 などは全くと言つていい程感ぢられなかつたものの、博多風細麪としてはこれで十二分の出來であらう。尚、替へ玉(150円もする!)の際に「バリカタ」でちう悶したら、クキクキと独特の食感が味はへた。博多風の麪はこの食感でなくちや!!
チヤーシウは冩眞では端つこしか見えてゐないが、そこそこ大ぶりのが 一枚だけ 入つてゐる。H.P.によると肩ロースださうで、ヘンに脂つぽくないところは好感が持てる。その他、トツピングでは何と言つてもキクラゲが忘れられてないのは嬉しい限りだ。しかし、半熟味玉子は予想通り豚骨スープとは相性が良くなかつた。
總括として、タレ主導で上手にまとめ上げた まあまあの出來 の博多ラーメンである。個人的ランキングでは「一蘭」とどつこいどつこいで「一風堂」よりはマシ、と言つたところか。それでも私が今迄に 京都市内で」食べた博多ラーメンの中では一番まともな出來 ではあるので、市内在住者なれば一度くらいは食べておいても損では無いと思はるる。
しかし、純粹に豚骨の旨味やてろりと乳化したスープを求むる方や、「無鉄砲」「天神旗」「とんこつ食堂」「豚一」を知る大阪の方がわざわざ遠征してまで食べに來る價値のある味ではない。
無論、博多ラーメンの 傳統やスープとの相性を無視して 、ただただ 細い麪を毛嫌ひする樣な輩 は最初からこの店には入るべきではない。


月 旧一的評價;★★


追記
此の記亊を掲載した時点ではO.S.9.2.2→10.4.4にデータ移行ちうであつた爲、ATOKが使へづ旧字體や旧仮名遣ひが少なくなり、文章が讀み易くなつてしまつて御迷惑をおかけしましたことをお詫び致します。m(_._)m
旧字體への修正、完了致しました。