「熊本らーめん一大」@難波千日前 ラーメン 2005.04.14實食

お店の外觀、及び波平氏のレポートはこちら→id:menmenmen:20050415

先づは「熊本ラーメン」の定義から。
熊本ラーメン博物館(http://www.geocities.co.jp/MotorCity/3273/ra-men.htm
熊本ラーメンファンクラブ(http://www.evergreen-21.com/ramen/index.html
粉物情報(http://www.r.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/~yositomi/kona.html
等を總合すると、

 1. とんこつ(ベースの)スープ
 2. 太い麪(博多と比較して)
 3. ニンニク(チツプ)のトツピング

と、いふことになる。まああくまでこれは必要不可欠の要素であり、個人的には
魔人ブウ*のラーメンデータベース(http://www.netlaputa.ne.jp/~buu/index.html
にもあるが、

 4. 「マー油」が浮かせてある

も加へた4点を以て「定義」として頂きたいところだ。
あと自分が食べた經驗からは、スープのサブ要素として野菜が結構重要な役割を果たしてゐる樣に思はるる。
ラーメンの食べ歩きをする樣になつてからさういふ店にお目にかかつてゐないのは不思議だが、私が學生時代に熊本を旅した時に食べたラーメンは、スープの表面にニンニクチツプ以外の野菜屑がプカプカ浮いてゐた店が多かつた記憶がある。


ラーメン600圓


さて、此の店は「熊本らーめん 一大」と謳つてゐる。上記の「定義」に基づくと、1. 4. は滿たしてゐたが、2. 3. からは外れてゐた。
3. に關してはカウンタの上に揚げたチツプ樣の物体があつたので食べてみたのだが、ニンニクの香りは皆無。問うてみるとギヨウザの皮を揚げたものであり、いづれ廃止すると言つてをられた。ニンニクチツプは無いのかと聞くと、「拔いてくれ」といふ客が多かつたので載せるのをやめた、とのことで後から出して來て入れてくれた。
大体、「熊本ラーメン」を喰ひに來て、ニンニクを拔けだのとぬかす無知無學極まりない客の方がおかしい。ニンニク拔く位なら最初から「熊本ラーメン」の店に入るな、馬鹿共めが。
・・・まあこれで 2. 以外の条件はすべてクリヤーしたのではあるが、やはり「熊本ラーメン」を名乘る以上は太い麪(博多と比較して、の話。こちらだと「中細」くらいのイメイヂだ)を使つて頂きたいものである。
かねてから口を酸つぱくして言つてゐる樣に、「ご當地ラーメン」を他の地方で營業するのであらば、「その『ご當地の味』を傳道する」心意氣で、最も一般的な味を持つて來るべきである。さもないと「○○ラーメンつてどんな味なんだらう?」と期待する客や、また「前に喰つた●●ラーメンが美味かつたのでそれをまた食べたい!!」といふ客の期待を裏切ることになる。「關西人の味覺に合はせた」だの「どーせ地方のラーメンの味なんかわからんだらう」だので全く違つた味に變へてしまふことはただの欺瞞に過ぎづ、味を變へてある場合にはせめて「××『風』」と表記するのが店としての良心といふものだらう。
ご當地の味をアレンヂしたヲリヂナルのラーメンを作りたいのなれば、べつに店名に ご當地ラーメンの冠をつける必然性は無い 筈だ。結局、「定義」を外してラーメンを作る店にとつて「ご當地ラーメン」の「ご當地」は、單なる 集客の道具 でしかないのである。
先程「 2. 以外の条件はクリヤー」と書いたが、ここ「一大」では私の訪れた時間では 1. のとんこつが全く前面に出てをらづ、また 3. のニンニクチツプもこちらがわざわざ訊ねなければ出て來なかつた(スープ自体には入れてあるさうだが)。つまり、嚴密に言ふと完全にクリヤーしてゐたのは 4. だけなので、個人的な感想としては少なくとも 「熊本」の看板をかける資格はない


・・・と、前置きが長くなつてしまつたが、ラーメンそのものにつひて語らう。
スープはそこそこダシは出てゐるものの、「滿足!」といふまでには至らづ。それなりにとろみはあるのに豚骨のガツン!!と來る感ぢが無かつたのは、厨房が狹い爲にひとつの寸胴で煮ていかねばならなひので早い時間(私が食した19時半過ぎ)にはまだしつかりとダシが出てゐないから、とのこと。それでもそこそこ喰へるものに仕上がつてゐるのは豚骨にモミジが加へてあつて、そのダシの助けを借りての樣だ。
もし「豚骨が前面に出てゐない」理由がそれならば、もつと遲い時間に來店すればまう少しは「熊本ラーメン」つぽくなつてゐるのかも知れない。またデフオルトでニンニクチツプは載せられてゐなかつたものの、マー油によつてニンニクはまあまあ効いてゐる。
極細麪も「熊本ラーメン」とさへ思はなければなかなかスープに合つてはゐるし、關西では嫌ふ人間も多いのだが、トツピングされたキクラゲの食感も良い。
少し話をすればラーメン食べ歩きの好きな店主のアツさは傳はつて來るので、まう少しいい条件のお店できつちりと作られたラーメンを一度頂ひてみたいものだ。
現状なればまう少し遲い時間帶に、たまたま通りがかつたら寄つてもいい鴨、位の出來にしか過ぎない。

月 旧一的評價;★★ +0.5。