「じゃんまるラーメン」@湊川 2004.12.21實食

私の知る限り、魚系のダシとしては武庫川以西で一番まともに取られてゐる店である。
巷では尼崎の「虎一番」や「花星」の評價が高い樣であるが、「虎一番」はイムパクトこそあるが今ひとつバランス惡く、何より麪が全くスープに合つてゐない。また逆に「花星」は味が優しい味すぎ、イムパクトが無くつてうすらぼやけた樣な印象だ。
それらと比較して、「あっさり旨コク醤油味」との但し書きがつく「じゃんまるラーメン」は、ひと口飮んだ時にガツン!!とくるイムパクトには欠けるので一瞬、肩透かしをくらった樣な感じがする。しかし、そこで卑しくガツガツとかき込んだりせづにひと息置くと、かなりしつかり取られたダシとよくこなれた醤油味のタレの旨味がじわ〜っと出て來て、後味の良さが味わえるのだ。
コンサルタントの類の手が入つたか、或いは大手資夲のチヱーン店の樣な店構へで損をしてゐるのか、ラヲタ人氣では同時期にオープンした「三醤屋」(移轉後、先日閉店)に遙かに水をあけられてゐたが、私は「じゃんまるラーメン」の方を高く評價して來てゐた。


じゃんまるラーメン(2002.11.16撮影)


神戸を離れてからはなかなか機會に惠まれづ、久々の訪問つ。
當然、「じやんまるラーメソ・きんた・・・もとい、くん玉入り」をちうもん。
出て來たラーメンのスープをひと口。
・・・・・
・・・「臭い?!」
何か、以前は感ぢた亊の無い樣な、臓噐・・・もとい、雜巾の樣な臭ひがするのだ。原因はスープの酸化か?チヤーシウ?それとも他のトツピング??
・・・臭氣のもとを檢索してみてもはつきりとした原因物質は特定出來なかつたのだが、葱が一番アヤシヒ樣に思はれた。今迄を知つてるからあまり責めるつもりはないが、多分初めて食べた時に此の臭ひだつたらかなりの減点對象となることうけあひだ。


氣を取り直して一からスープを味はひ直す。
相變はらづイノシン酸系のダシが強くて美味ひのだが、以前感ぢてゐた「ひと口飮んだ時にガツン!!とくるインパクトはないが、スープを飮んでひと息おくと、しつかりと取られたダシとよくこなれた醤油味のタレの旨味がじわ〜つと來る」のではなく、今囘はひと口目から魚系のダシが「ガツン!!」と來た。以前の「じわ〜」も惡くはなかつたが、私はどちらかといふと「ガツン!!」が好きなので好ましい變化である。(もつとも、味のブレの範囲なのかも知れないが)

あと變はつたところといへば、きんた・・・くんたまが別皿で供さるるのではなく、最初からラーメンに入つて出て來たことだ。
昨夜はさほど冷たい印象は無かつたが、冷えた卵を入れるによつてスープがぬるくなるのを忌み嫌ふ向きもあるし、私は半熟の黄身がスープにとろけ出すのが嫌ひなので別皿にして頂いてた頃の方がよかつたと思ふ。

細麪も相變わらづ「美味ひつ!」とは思へないのだがスープとはよく合つてゐるし、グルタミン酸系の氣持ち惡い後味が殆どしないのも食べてゐてホツとする。あと●んたまとスープの相性も拔群だ。


月 旧一的評價;以前と變はらづ ★★★ つ!
・・・としたいところだが、 臭かつた ので今囘は ★★+0.5 としておく。


追記
京都の「麺屋しゃかりき」の「和風煮干らあめん」は魚系ダシこそいいものの、後味に化調のべつしやり感が殘つてゐたり、ややニツチヤリ感の殘る細麪が今ひとつスープに合つてゐなかつたりしてまだまだ改善の餘地がある。スープの後味と細麪の扱ひにつひて、一度「じやんまる」を訪問してみて何かの參考にして頂ければ幸ひである。