「だるま」@博多 2004.09.09實食

前囘の訪問は2001年の5月、博多に移轉して間もない頃であつた。その時は昼の開店時に行つたのだが、箱崎時代とは似てもつかない シヤバシヤバのダシ に大きく落胆させられたものだ。今囘も特に訪問するつもりは無かつたのだが、雨が強く「秀ちやん」や「八つちやん」に行つて並ぶのは厭だつたんでこちらを試してみた。



出て來たスープは匂ひこそとても良いのだが、表面に乳化し切れてゐない脂の分厚い層が出來てゐて、「こつてり」ではなく 單に油つぽいだけ だ。箱崎時代に行つた時も脂の層はあるにはあつたがこれほどではなく、逆にスープの味が濃厚であつた。實際、當時の冩眞を出して比較してみると、やはり脂の層は以前の方が薄く、あとタレや光の加減もあろうがスープ自體の色がもつと茶色に近かつた。
確かに箱崎の店に行つた時分と較べると、私自身の脂の消化能力が落ちてゐることは否めないが「ひしむら」でたらふく飮み喰ひした後とはいへ、スープを殆ど殘してしまつたのはやはり ダシがしつかり取れてゐない が故に脂肪分が乳化し切れていなかつたことが全てである。スープの量が半分でいいから濃度を倍濃くして、餘剩の脂の層が減ればいいラーメンに戻るかも知れないのに、 とても殘念 であつた。
國内産小麦粉とモンゴル鹹水を使つた、とのたまう極細麪はツルツルして喉越し良く、食感もまあまあ良い。麪單獨として見ればいいのだらうが、なんだか 素麪みたひ で博多の豚骨スープには 全く合つてゐない 。昔の訪問記を紐解いてみると、「自家製の麪はツルツルと喉越し良く、美味ひ」と書いてある。あんまし麪にこだわつてゐなかつた時期のことだからさう書いたのか、それとも逆に今囘、スープの出來が惡かつたことで他のアラも見へて來てしまつたのか?
今囘のアツプに際してネツト檢索をかけてみたのだが、私同樣箱崎時代を懷かしむ聲がちらほら見受けられた。營業形態が變はり、客の入りが變はり、店主が店に出る時間も變はればおのずから味も變はつてしまふのも仕方無からうが、惡い方に變はつてしまふのはやはり寂しいものである。


月 旧一的評價;★★