「カドヤ食堂」＠今福鶴見　特製つけそば　2005.05.24實食

一時、昼間のみの營業となつてゐたこともあつて行かねば行かねばと思ひつつもなかなか機會に惠まれづ、實に10ヶ月鰤の訪悶。
18痔に夜の部開店と同時に到着豫定が所用の爲遲くなり、げうれつ或ひはマソ席を覺悟してゐたのだが、店内には先客がひとりだけで拍子拔けした。
前囘、「特製つけそば（大盛）」では物足りづ、ぞむびーがちう悶した「特盛」を横からつつかせて貰つてたら、途中からとストツプを喰らつた苦い經驗があつたので「特盛（400g）」をちう悶。
トツピングに豚足は欠かせない、との噂を聞いてゐたのを後から思ひ出して言つてみたが、一緒に煮込まなければならないので後からの追加は難しい、とのこと。まあそれ以前に豚足は賣切であつたのだが (^^;;

そんなこんなでいよいよ「特製つけそば（特盛）」の御登場。

特製つけそば（特盛）950圓

ヴイジユアル上の變化としては麪の黄色が前囘よりも濃くなつた樣な氣がする。この点につひては某MIG氏も指摘されてゐたのだが*1、あとから冩眞で比較するとそれほどでもなかつた。
其れ以外の變更点として、つけ汁の海苔が無くなり、かわりに麪の上に刻み海苔が載せられてゐたのには愕然とした。つけ麪の麪に刻み海苔を載せるのは、麪自體の持つ香りを台無しにして、その上食感をいたく損なふので、まともな神經を持つた店のやる行爲ではない、と私は今迄口を酸つぱくして言ひ續けて來たのだが、まさか「カドヤ食堂」でかくの如き愚劣な盛りつけをされるとは思はなかつた。まあ今囘は店主復活お祝ひなのだからこれ以上はツツコまないでおくが、即刻改善すべきポイントであることに間違ひはない。
あと先日、波平氏も言つてゐたのだが、つけ汁の中にゴロゴロと轉がつてゐた煮豚のブロツクが普通のチヤーシウに變更されてしまつてゐたのも少々殘念である。麪を平らげたあとにこのブロツクを肴にビイルを飮もうと思つてゐたのにアテが外れてしまつた (^^;;
何か文句ばかりになつてしまつた樣だが（いつものことか？）、あくまで枝葉の部分に於て、である。肝腎の味の方は？といふと、文句無しに美味ひ！！！
關西のつけ麪といふと、タレが弱つちよろくてつけ汁をそのままゴクゴク飮めてしまふ樣な店か、或ひはタレのみしよつぱさを強調して、ごくごく一部の物好きからは「シヨツパウメ〜」とか言はれつつもその實ダシが全くダメな店が大半を占めてゐるのだが、此の「カドヤ食堂」の「つけそば」はタレ、ダシともにしつかりと濃厚で、つけ麪のつけ汁として最高レヴヱルの完成度にある。その上今囘は魚系の香りがよりガツン！！と前に出て來てゐて、特に私好みになつてゐた。
表面に脂の層があるので最後までアツアツが樂しめることも波平氏が言つてをられたが、それはつけ汁自體の出來が良いからこそであり、もしベースのダシが貧弱であつたなれば、ただ單に脂分ばかりが強調されてしまふことになつてしまふことであらう。個人的にはまう少し酸味が強くても良いかとも思ふが、出來の惡い「東池袋大阪大勝軒」の如く自ら酢を入れて味を調整しなければ喰へたもんぢやあないほどのものではないので、その邊りは「好みの問題」なのかも知れない。
今囘、一番變化を感ぢたのはその麪である。前囘はややスポンヂイで密度に欠ける印象があつたのだが今囘はそれが全く氣にならづ、私が求むる「前齒で噛むとブツリと切れる潔さ」こそ無かつたものの、密度も十分に滿足出來た。
ところが！！　問うてみると麪は以前と全く變へていない、とのこと。その時は「季節によるブレですかね？」と話をしたのだが、後から考へてみると前囘は滿員で麪も賣切間近、店はてんてこ舞ひの状況で我々三人分の麪を同時に茹でてゐたのに對し、今囘は先述の通り先客は一人だけで麪を茹でるのも私ひとり分であつた。その際のオペレイシヨンの違ひが麪の食感の違ひとなつてしまつたのではなからうか。もしかすると前囘は麪の表面が荒れてゐたのか、或ひは「鬆（す）が入つた」状態だつたのかも知れない。
最後にスープ割りをして頂く際、それまでにチヤーシウを全て消費してゐた爲、ビイルのアテにと慌てて「豚めし（小）」を追加ちう悶 www してしまつた。
「特製つけそば（特盛）」＋「豚めし（小）」＋ビイル一夲。私にしては些かオーヴアーロードで苦しかつた・・・でも美味かつた！！(^-,^)

月　旧一的評價；★★★★ つ。・・・復活祝ひも兼ねて、＋0.5！！

追記１
店主がちらりと「ビラビラした厚みのない麪にしやうかな？」とか世迷ひごとを言つてをられた。現状の麪がベストであるとは言えないが、少なくともわしわしと「麪を呑む」快感を味わふことの出來る店は關西圈では貴重なので、是非とも思ひとどまつて頂く樣懇願しておいた。

*1:id:ross-mig:20050422#p2※リンク切