ら〜麺「なかにし」@一乗寺樋ノ口町 鶏塩メン 2007.09.24/2008.11.14實食

2007年4月オープンのお店。
場所は白川北大路の南東になるのだが、白川通から一夲入つた目立たない場所にあり、ラーメン屋の立地条件としては不利な部類に入るであらう。實際、お笑ひ藝能人と同級生であつた、とのことで番組で紹介された時には混んでゐたさうだが、私が訪れた時は空いてゐたし、また他に行つた人間に訊いてみても「並んだ」といふ聲は聞いたことがない。
此の店のラーメンは「鶏塩メン」と「しょうゆラーメン」の2種類。メニウの先頭に書いてある「鶏塩メン」が店の「顏」であると判斷し、それを ちう悶 www

鶏塩メン(並)650圓

店主は燒鳥店のオーナーであり、 H.P. によると、 鶏をベースに豚・魚介類・野菜などで丁寧に仕上げた当店自慢の塩ラーメンです。 とのことだ。
確かにサラリとしたスープはダシはなかなか丁寧に取られてをり、途中で飽きるほど濃過ぎもせづ、かといつてシヤバ過ぎもせづ、とてもいい塩梅だ。
しかし、 タレがダメだ!!
熟成が足りないのか、塩のカドが立つてしまつてをり、「ダシを喰はせる」のではなく「塩を喰はせる」味になつてゐる。


黄色がかつた麪は、初訪時は「これがベストの組み合わせかと問われるとまだ選擇の餘地はありさうだが、差し當つて變更せねばならぬほどは相性は惡くない」と感ぢたのだが、夲年再訪時は 全くダメダメ

この麪がダメ

先づ何より 食感が惡い 。茹で方に問題があるのか、或ひは麪そのものの出來が惡いのか、細麪の命であるシコシコ感が全く感ぢられづ、齒を入れると力無く崩れる。加へてこれは 棣鄂 がマニヤツクな店に卸してゐる麪に共通する欠点なのだが、 熟成不足 氣味で 味氣が無く、水臭い
この麪なれば「向日葵」の麪を持つて來て、そのまま使つた方が、餘程まともなラーメンに仕上がることであらう。

此の「鶏塩メン」には豚肉のチヤーシウではなく京赤地鶏の胸肉が載るが、これが美味い!!


月 旧一的評價;★★


まとめると

  • 美点
    • 丁度いい塩梅に取られたダシ
    • チヤーシウのかわりに載せられた京赤地鶏の胸肉
  • 欠点
    • 塩のカドが立つタレ
    • 麪の味・及び食感の酷さ

・・・となる。ダシと具の出來はなかなかいいので、「久保田*1」同樣、タレと麪を何とかすれば「化ける」可能性は殘つてゐると思はるる。
しかし、塩ダレの「カドが立つた」状態を、開店一年半以上も放置してゐるといふことは、それに對する 問題意識が全く無かつた のではなからうか。
塩ラーメンを初めて作る店が、塩のカドを立たせてしまふことはさほど珍しいことでもない。かの 「無鉄砲」 ですら、初めて作つた限定塩ラーメンは塩のカドが立つた状態であつた*2。けれども店主・赤迫氏はその後も研鑽を重ね、半年後に食した際にはその欠点が完全に克服されてゐたのだ*3


名店と、さうではない店の差は、さういふところで決まるものなのだ。


追記
初訪時、ビイルのアテに餃子を頼んだのだが、味の惡さもさることながら燒き方が下手で、その上頼んでから出て來るまでの時間が必要以上に長くかかつてゐた。こんな付け燒き刃みたいなものをメニウに載せるくらいなら、出來のいい鷄チヤーシウを盛合はせとかにしてくれた方がよほど嬉しいのであるが・・・


*4 *5 *6 *7 *8 *9 *10 *11